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【テレビ初密着】FDA客室乗務員デビューの舞台裏 安心安全な空の旅のために…厳しい訓練を経て夢の実現へ(every.しずおか特集)

2024年3月12日 13:26
【テレビ初密着】FDA客室乗務員デビューの舞台裏 安心安全な空の旅のために…厳しい訓練を経て夢の実現へ(every.しずおか特集)

カラフルな機体が特徴の静岡の航空会社「フジドリームエアラインズ」FDA

この日、笑顔で接客をするのは、客室乗務員としてデビュー目前の訓練生。実はここまで、4か月に渡る厳しい訓練があったのです。その間にはあの衝撃的なJAL機炎上の大事故も…。快適で安心安全な空の旅を届けたい!憧れの客室乗務員を目指すFDAの知られざる厳しい訓練に、テレビ初密着しました。

コロナ禍の困難を乗り越え、夢が実現!

名古屋空港にあるFDAの格納庫。ここに客室乗務員を目指す訓練生の姿がありました。

機内アナウンスを練習するのは、2023年10月に入社したばかりの浜松市出身・富山萌香さん・24歳。

(富山萌香さん)
「静岡空港が開港されてから親に連れて行ってもらい、FDAのことを身近に感じていたので、FDAで働きたいと思いました」

2009年から運航を開始したFDAは「地域と地域を結ぶ」をコンセプトに、現在、北海道から九州まで、全国16空港を結びます。

しかし2020年、新型コロナの影響で減便を余儀なくされ、客室乗務員の採用人数も減らされ、さらに2021年には採用自体が中止となってしまいました。ちょうどそのころ就職を目指していた富山さんは、採用試験を受けることすらできなかったのです。

(富山萌香さん)
「航空業界が新型コロナの影響を受けていることを実感していたので、今後の採用を不安に思っていた」

それでも、客室乗務員の「柔らかい雰囲気」や「乗客の気持ちをくみ取った接客」に憧れ、この世界を諦めることはできませんでした。そしてコロナが落ち着き、採用が再開された後、4回目の試験で念願の内定を掴んだのです。

(富山萌香さん)
「本当にうれしくて、私の思いが伝わったかなと思って」

羽田空港事故を受けたリアルな訓練

しかし、入社がゴールではありません。憧れの客室乗務員になるためには、厳しい訓練と試験を突破しなければならないのです。

この日は、機内と同じ作りの訓練施設で、飛行中の緊急事態を想定した脱出訓練です。

(教官)
「訓練は本番のように、本番は訓練のようにと言われているので、実際に緊急事態が発生したと思って行わないと意味がありません」

2024年1月2日、羽田空港で海上保安庁の航空機と衝突したJAL機が炎上する大事故が発生。しかし、客室乗務員の適切な避難誘導で、乗員乗客379人全員が脱出することができ、世界中から「奇跡の脱出」と称賛されました。

客室乗務員は、緊急時には乗客の命を守る重要な役割を担っているのです。

今回は、飛行機の前輪が使えず、通常の着陸ができないケースを想定。海上に着水し、機内から脱出する流れを確認します。

(富山萌香さん)
「救命胴衣の着用状況を確認します」

富山さんは、小さな子供を連れた乗客に救命胴衣の使い方を説明します。

緊急時にはたった一つの小さなミスで命を落とす可能性があり、間違いは許されません。しかし、乗客へ脱出時にドアを開ける説明では…

(富山萌香さん)
「飛行機が止まって『脱出』の合図があったら窓の外を見ます。ドアが水につかっていなければ、手で押します」

(教官)
「このシップって何号機?もう一度メモを見てください」

富山さんは、今回の機体では”浸水”してしまうドアから脱出するよう案内していたのです。

(富山萌香さん)
「(JAL機の炎上事故は)訓練している最中に起こった出来事だったので、身に染みて感じた。何もない状況だと、素直に考えられることでも、実際に自分がやってみると、行動できなくなってしまうことがあって、頭でわかっていても行動に移せないことがある。何度も重ねるしかない」

乗客の命を預かる責任の大きさを、この日の訓練で改めて痛感しました。地上での訓練も、残り1週間。実際にお客さんを乗せたフライト訓練に進むためには、試験突破が絶対条件です。

家でも、部屋のドアを飛行機のドアに見立て、ドア操作の方法を体にしみこませ、対策を行ってきました。

そして、その結果は・・・2か月の地上訓練で、共に学び成長した17人の仲間も全員合格!富山さんの目にはうれし涙が!

そして、憧れの制服に初めて袖を通し、また一歩、客室乗務員デビューに近づいた喜びを嚙みしめます。

感謝の気持ちを胸にフライトへ

1月12日、富山さんの姿は静岡空港にありました。お客さんを乗せた機内での1か月半に及ぶ訓練が始まっていました。

(富山萌香さん)
「お客様からは訓練生といえども、同じFA(客室乗務員)して見られていると思うので、気持ちを入れて」

鹿児島空港へ向かう機内では子どもたちにプレゼントを配ります。先輩たちの「知識」や「気遣い」にはまだまだかないませんが、客室乗務員に重要な「親しみやすさ」はバッチリのようです!

そして、2月6日・・・4か月に及ぶ厳しい訓練をすべて突破し、一人前の客室乗務員として正式にデビューの日を迎えました。

(富山萌香さん)
「やっと夢が叶った。空の旅でこの人に対応してもらってよかったなと思ってもらえるようなFA(客室乗務員)になりたいと思います」

(静岡第一テレビ every.しずおか 2024年2月22日放送)

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