“紅麹”をめぐる健康被害問題で県内では4件の入院を確認…患者にはある“共通点”が明らかに(静岡県)
小林製薬の「紅麴サプリ」による健康被害が相次ぐ中、県内でも被害を疑われる患者が、29日、新たに3件確認され全部で9件となり、そのうち4件は入院による治療が必要だったということです。
静岡市保健所へ連絡のあった患者は、小林製薬の「紅麴コレステヘルプ」を1か月摂取し、2月、腎臓の調子がよくないため尿検査をしたところ、医療機関で治療することになったということです。
そんな中、28日に、小林製薬の「紅麴コレステヘルプ」を摂取した40代から50代の女性2人が入院していた富士市立中央病院の医師が会見を開き、1人については2回、入院していたことが明らかになりました。
(富士市立中央病院 腎臓内科 高橋康人 部長)
「生来健康な方で受診の3~6か月前から紅麴コレステヘルプの摂取歴がある。消化器症状があり受診し、採血により高度腎機能障害を認め当院に入院、数週間で退院。紅麹が原因とは考えず、脱水にともなう急性腎障害と診断し外来加療とした」
入院中は紅麹サプリは摂取せず症状が改善し、一度は退院しましたが、その後、サプリの摂取を再開したところ再度、急性腎障害で入院したといいます。
(富士市立中央病院 腎臓内科 高橋康人 部長)
「2回目の入院で各種検査をしたが、今回の報道を受け、紅麴による尿細管障害が原因の急性腎障害と診断した」
また、もう一人の患者についても、受診前の6か月間、紅麴サプリを摂取していたことから、これによる尿細管障害が原因の急性腎障害と診断したといいます。
紅麴サプリによる尿細管障害が原因とされた2人の患者。尿細管障害をおこす要因について高橋医師は…
(富士市立中央病院 腎臓内科 高橋康人 部長)
「尿細管障害をおこす原因は多岐にわたるが、薬剤、痛み止め、抗生剤、抗がん剤などでおこすが、原因を特定するのが難しい」
しかし、2人の患者には共通する症状があったといいます。
(富士市立中央病院 腎臓内科 高橋康人 部長)
「消化器症状に関しては気持ち悪いといった症状を訴えている。消去法的な話だが、これ(紅麴サプリ)が一番の原因として濃厚と考えている」
直接的な原因となった物質が何かは明らかになっていませんが、この紅麹サプリの摂取が原因として考えられるといいます。
県は、小林製薬が自主回収している商品について直ちに摂取を中止することや、体に異常がある場合は医療機関を受診するか、最寄りの保健所に相談するよう呼びかけています。