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【再浮上】新幹線「静岡空港新駅」構想…鈴木知事が就任後に言及しJR東海が態度“軟化”も実現性は?

2024年6月6日 17:19
【再浮上】新幹線「静岡空港新駅」構想…鈴木知事が就任後に言及しJR東海が態度“軟化”も実現性は?

いま、再び注目が集まっている新幹線の「静岡空港新駅」構想。鈴木知事が就任後に初めて言及したのは6月1日、静岡空港15周年記念式典に出席した際でした。

(鈴木知事)
「直下に新駅があると利便性が飛躍的に向上する。防災という 観点から見ても羽田や成田に大きな障害が生じたときに静岡 空港が代替空港として非常に大 きな機能を発揮する」「リニアの開通と前後してということになると思うが新駅の設置に向けた交渉もJR東海としていきたい」

式典後、取材に応じた鈴木知事は構想実現に向けて前向きな姿勢をアピール。そして、5日に行われたJR東海の丹羽社長とのトップ会談でも「空港新駅」の話題が出ました。

(JR東海 丹羽 俊介 社長)
「静岡空港の付近に東海道新幹線 の駅をという話は知事からあった。空港の付近の新幹線の新駅というのは課題が色々とあるが、静岡県さんの考えを受け止めながら対話をすることが大事だと。 対話をしていきましょうということで申し上げた」

(鈴木知事)
「こちらからの対話に対して真摯に受け止めるということなので、これから長期の話になると思うが話し合いの場が持てればいい かなと」

JR東海は「掛川駅との距離が短く高速鉄道の特性を損なうため整備は難しい」として「空港新駅」構想について、これまで否定的な姿勢を貫いてきましたが、きのうの会談後の取材では態度を軟化、「対話をしていきたい」と話し、静岡県の意見に歩み寄る姿勢を示しました。

そもそも、静岡空港のすぐ下を新幹線が通っていることから空港の真下に新たな駅を整備するという考えは空港建設が始まった1990年代から浮上していました。県が検討会を開いて整備場所や設置費用などを算出。当時は300億円ほどで新駅が整備できると試算されました。県はその後、2014年度から6年にわたり、整備への調査費として計4700万円余りの予算を計上。しかし、リニア問題の協議が難航するなかで、水問題の交渉手段にしない姿勢を示す狙いもあって、20年度以降の予算計上を見送っていました。そうしたなか、2023年、川勝前知事が初めて出席したリニア新幹線の期成同盟会で、山梨県の長崎知事が「空港新駅」構想について言及しました。

(山梨・長崎知事)
「空港の結節を加えることで、国外や国内遠方地域へ広域にメリットが波及することが可能になる。特に国際空港と高速鉄道が結節する静岡空港新駅については、これまでにない画期的な駅になると考えています」

7日に開かれるリニア新幹線の期成同盟会では、沿線の知事らが国に対し「空港新駅の設置」を要望する予定で、その動向に注目が集まります。

(白鳥 貴久 記者)
「静岡空港に新幹線の駅をつくる構想が再燃しています。利用者はどのように感じているのでしょうか?」

(賛成派)
「賛成です。もちろん」「バスでここまで来たが道がくねくねし過ぎていて、新幹線で止まれればかなり良い」

(賛成派)
「できればいいなと思う」「普通に交通の便が良くなるので来やすくなる」「海外や首都圏の人含めて色々な人が静岡に来て、静岡の魅力を知ってらえればいいと思う」

一方、空港新駅の設置に反対の声も…。

(反対派)
「いらない」「掛川駅を廃止するなら作ってもいい。(掛川駅との距離が)短すぎる物理的に」

(反対派)
「掛川駅から無料でバスが出ている」「新幹線があると京都と東京へ行ってしまうと静岡へお金を落とさない」

一方で、静岡市の難波市長は、5日の会見で「誰が負担するのかという問題がある」とコメントしています。

(静岡市 難波市長)
「自分が県の副知事をしていた時に空港新駅の試算をしたが、当時の金額で450億円~500億円かかっていたので、今だと700億円くらいかかるプロジェクトではないかと思う。金額を含めた費用対効果を考えながら、まずは県で考えることが大事だと思います」

これまで歴代の知事が提唱しながらも実現には至らなかった「空港新駅」構想。鈴木知事は、就任後、”リニア問題のキーパーソン”との顔合わせを積極的に行うなかで、今後、実現性は出てくるのでしょうか。

最終更新日:2024年6月6日 17:19