「札幌から来た」拾う人が殺到 海岸に大量のホッキ貝 食中毒の危険も しけが影響か 北海道
北海道厚真町の海岸では大量のホッキ貝が打ち上げられ、道内各地から大勢の人が貝を拾いに集まっています。
一体なぜ厚真町にホッキ貝は打ち上げられたのでしょうか、専門家を取材しました。
海岸線で大勢の人が拾っているのは…
打ち上げられた大量のホッキ貝です。
厚真町の浜厚真海浜公園で31日、波打ち際数百メートルにわたって打ち上げられていました。
一夜明けて1日も多くの人が海岸に集まっていました。
拾っていたのはやはりホッキ貝です。
(札幌から来た人)「きのう夕方ニュースを見てこれは行かないとと札幌から来ました。自分たちで食べる分だけはとれました」
クーラーボックス2個からあふれるほど集めた人も。
(岩見沢から来た人)「300個くらいでないかい」
(記者)「どうやって召し上がりますか」
(岩見沢から来た人)「バター焼きだね」
道によりますと、現在この場所はホッキ貝の禁漁区には当たらないといいますが、拾うときには注意点も…
(海保の人)「使っていいものは手と、網の長さが40センチ未満のものだけになります」
海岸で呼び掛けられていたのは、ホッキ貝の拾い方です。
ホッキ貝は熊手や40センチ以上の大きな網を使ってとることが禁止されています。
さらに、大きさも7.5センチ未満のものはとることが出来ません。
これほど大量に打ち上げられるのは珍しいというホッキ貝ですが、一体なぜなのでしょうか。
(道総研栽培水産試験場 桑原康裕専門研究員)「ホッキは砂から出そうになっても元気なら潜ろうとしたり動けるんですが、水温が低いと活動ができない。そうすると(波により)無抵抗に掘り出されて打ち上げられてしまう」
大量のホッキ貝が見つかる2日前、厚真町では瞬間的に風速20メートル近くの風が海から陸に吹いていました。
専門家は、この強い風により海がしけたことと、冷たい海水温の影響でホッキ貝が大量に岸に打ち寄せられたと推測しています。
浜辺に集まる大量のホッキ貝と大勢の人。
ただ、ホッキ貝は死ぬと急速に腐敗が進行し食中毒となる危険があるため、専門家や道は食べることを推奨していません。