離島に常駐する山岳遭難救助隊 相次ぐ雪崩や滑落事故 登山者の命を守る 北海道・利尻島
山菜採りや登山など山へ入る機会が増えるこの季節、手軽に楽しめる一方で危険なのが、遭難や雪崩です。
救助の応援が来るのに時間がかる離島では、道警が訓練を実施し警戒を強めています。
(訓練)「大丈夫ですか!動けます?」「足がちょっと…」「わかりました、そのままそこで動かないでください!」
北海道の北部に位置する利尻島の利尻山で行われていたのは、道警の山岳遭難救助隊による訓練です。
(訓練)「はい行きまーす、せーの、引ーけ引ーけ…」
この日は負傷者を担架で迅速に救助する訓練を重点的に実施しました。
利尻山では過去5年間であわせて17件の山岳遭難が発生し、そのうち疲労や脱水症状で動けなくなった救助が1番多く、次に多かったのはバックカントリーでの雪崩や滑落です。
今年3月にも利尻山でバックカントリースキーをしていた男女8人のうち7人が雪崩に巻き込まれ、44歳の女性1人が死亡しました。
命にかかわる山岳遭難とあって、利尻島に常駐する6人の警察官のうち半数にあたる3人が“山岳遭難救助隊員”です。
(稚内警察署 井上智雪 鴛泊駐在所長)「離島という特性上ですね、応援部隊の到着まで相応の時間がかかることから、迅速・的確な初動の救助活動を行うためには、我々が配置されている意味があると考えております」
救助隊の3人は日頃、交番勤務も兼任していて、鴛泊駐在所・所長の井上さんもその1人です。
この日交番で打ち合わせをしていた相手は役場の職員。
少ない人数の離島勤務だからこそ、日頃から地域との連携が大切だといいます。
(稚内警察署 井上智雪 鴛泊駐在所長)「3人しかいないので、やっぱり人手が足りない時があるんですけど、そこはやっぱり難しいとは感じてはおりますが、地元の消防だったりとか役場と協力してやっていますので、その点はやっていけているかと思っています」
登山者の命を守る山岳遭難救助隊。
山で遭難しないための注意点を教えてもらいました。
(稚内警察署 小田島宏幸 巡査部長)「上りはですね、皆さん体力が最初元気なんで張り切って行きますよね。いざ山頂に着きました。休憩します。降りているときに自分らが来た道と別のところに歩いて遭難が発生すると。例えば後ろを向いて、今置いてあるピンクのわかります?こういうのを目印に山は歩きますね」
標高の高いところではまだ雪の残るこれからの行楽シーズン。
山に入るときは遭難事故に合わないよう心構えや準備が必要です。