×

「家族はすべて失った」「娘を助けられなかった」遺族の心情 小西優花被告に懲役25年求刑

2025年3月5日 19:07
「家族はすべて失った」「娘を助けられなかった」遺族の心情 小西優花被告に懲役25年求刑

北海道旭川市の神居古潭で、女子高校生を殺害した罪などに問われている当時19歳の女の裁判員裁判で、遺族側は「家族はすべてを失った。極刑を望む」と訴え、検察は女に懲役25年を求刑しました。

(被害者の父親)「家族は希望、夢、気力、全て失われました。どんな刑でも釣り合いません。極刑を望みます」

法廷で明かされたのは、凄惨な事件で17歳の娘の命を奪われた父親の心境です。

殺人などの罪に問われているのは、当時19歳だった小西優花被告。

起訴状などによりますと、小西被告は2024年4月、内田梨瑚被告とともに旭川市の神居古潭で、留萌市に住む17歳の女子高校生を橋の欄干に座らせたあと川に転落させ、殺害した罪などに問われています。

5回目を迎えた裁判員裁判。

冒頭に遺族の心情が読み上げられました。

(被害者の母親)「全裸で土下座、コンビニで助けを求める動画などを見て言葉を失いました。こんな卑劣なことができるのか。被告人は裁判中泣いていましたが、その涙はどんな涙ですか?娘を助けられなかった。後悔の念でいっぱいです」

小西被告は初公判で起訴内容を認めていて、裁判は「量刑」が争点です。

5日の論告で検察は…

(検察)「犯行態様は極めて残虐で悪質。犯行の経緯と動機も身勝手極まりない」

こう指摘した上で、「犯行の役割を主体的に果たした」として小西被告に懲役25年を求刑。

一方、弁護側は小西被告の行為について「内田被告からの指示で従属的」と強調。

「成人年齢ではあるものの若年で更生する可能性がある」などとして、情状酌量を求め、「懲役15年が妥当」と主張しました。

最後に裁判長から「言いたいことはありますか」と問われた小西被告は…

(小西被告)「どんな結果、どんな判決であろうと覚悟はできています。本当にすみませんでした」

涙ながらにこう述べて一礼し、裁判は結審しました。

(阿部記者)「厳罰か更生か。難しい特定少年の判決に裁判員はどのような判断を下すのか。判決は7日に言い渡されます」

【遺族の心情】

5日の裁判では、代理人弁護士が遺族の意見陳述を読み上げました。

被害者の父親は「家族は希望、夢、気力、全て失われました。極刑を望みます」

被害者の母親は「深い心の傷を負わせた。身が引き裂かれる思い。重い罪を望みます」

と小西被告に対する心境が明かされました。

【争点】

改めて裁判の主張をまとめました。

小西被告は起訴内容について認めていて、「量刑」が争点です。

検察は5日の論告で、「極めて残虐で悪質。犯行の役割を主体的に果たした」として、懲役25年を求刑しました。

一方で、弁護側は「若年で更生の可能性があり、犯行は内田被告の指示で従属的だった」と情状酌量を求め、懲役15年が妥当と主張しました。

遺族が厳罰を訴えるなか、裁判員は当時19歳の小西被告に対してどのような判断を下すのか。

注目の判決は7日に言い渡されます。

最終更新日:2025年3月5日 19:07