大谷翔平選手も注目 大木抱えてスクワット!タイヤを背負って猛ダッシュ!独特練習法で話題 ウガンダ出身の野球選手
プロ野球のファイターズにも負けず劣らず話題になっている北海道内の球団選手がいます。
独自の練習方法にあの大谷翔平選手も注目。
遠くアフリカから北海道へやってきたウガンダ人の選手を追いました。
腕に重りをぶら下げキャッチング。
雨の中、大木を抱えてスクワット。
さらに、タイヤを背負って猛ダッシュ!
過酷なトレーニングの姿に、あの大谷選手も注目。
(カスンバ・デニス選手)「ウーチャ!ウーチャ!」
夢のプロ野球選手を目指すウガンダ人が旭川にやってきました。
北海道の独立リーグに所属する「旭川ビースターズ」です。
海外選手を含む23人が所属し練習に励んでいました。
その中の1人、ウガンダ出身のキャッチャー、カスンバ・デニス選手21歳。
8月に入団したばかりですが、日本に来る前から話題になっていました。
カスンバ選手が投げているのはボールではなく、なんとレンガ!
さらに、車のタイヤを使って筋力トレーニングをしたりー
お手製の重りを付けて足腰を鍛えたりー
ウガンダでの練習動画がSNSに投稿され、世界中で話題に!
あのドジャースの大谷翔平選手もフォローし、注目を浴びています。
しかし、独自の練習方法を始めたのは、母国での貧しい境遇にありました。
(カスンバ・デニス選手)「父が戦争で亡くなった後、祖母と妹たちの面倒を見なくてはならなかった。(野球選手となって家族を助けたかったが)トレーニング器具が周りになかった。なので雨の日もレンガを投げて肩を鍛えました」
逆境から抜け出すため、がむしゃらに練習を続けたカスンバ選手。
プロになる夢を抱いて日本にやってきたのです。
スカウトしたのは、現地で野球を教えたことのある土肥監督です。
(旭川ビースターズ 土肥翔治監督)「私がウガンダに滞在していた時に、(現地での)生活をデニス君が助けてくれた縁があって、それで(日本で)野球を一緒にやってみないかってお誘いしたところOKだったので、来てもらった形です」
カスンバ選手は旭川市内にある球団の寮に住んでいます。
これまで土肥監督の家で暮らしていましたが、先月から寮に引っ越し、日本での共同生活を学んでいます。
(旭川ビースターズ 田中勝久コーチ)「来年のシーズンはこんな感じ?大谷選手?」
(カスンバ・デニス選手)「ウーチャ!ウーチャ!」
(旭川ビースターズ 田中勝久コーチ)「僕もウーチャってどっかのスペイン語かなにかって思いきや、聞いてみると(カスンバの)独自の言語っていう」
(カスンバ・デニス選手)「ウーチャ!ウーチャ!」
持ち前の元気と明るさを発揮し、早くもチームに溶け込んでいます。
目指すのは大谷選手と話すカスンバ選手。
旭川に来ても独自の練習を続けています。
(旭川ビースターズ 田中勝久コーチ)「1番は多分手で持っているように見えて、この1番大きい筋肉使わないと多分楽にはできないと思うんですよね。伸びしろはありますよね。伸びしろあるというか上達早いっていえば早いですよね」
カスンバ選手が入団した「旭川ビースターズ」には、ある特徴があります。
(記者)「どんな国の選手がいますか?」
(旭川ビースターズ 土肥翔治監督)「ウガンダ選手が3人とアメリカ・オーストリア・ベネズエラ・アルゼンチンです。外国人を入れたというよりはいっぱい入ってきたっていう方が正しいかなっていう」
2023年設立されたチームには、これまでに海外12の国と地域の選手が所属していました。
なぜ多国籍の球団になったのでしょうか?
(旭川ビースターズ 平亮ゼネラルマネージャー)「旭川市が野球が盛り上がった1番の功労者、大投手・スタルヒンさんがロシアから難民で来られて、無国籍という中で旭川を故郷としておっしゃってくれた。旭川がやっていくべき野球のビジョンというのは、やはり世界とつながっていって若者や子どもたちが野球に夢を追いかけているところをサポートしていくこと」
旭川で育った大投手、ヴィクトル・スタルヒンさん。
ロシアから亡命し、その後、東京巨人軍で活躍。
プロ野球の歴史に数々の記録を刻みました。
旭川にはスタルヒンさんの名前がついた球場があり、古くから海外選手と関係の深いマチです。
チームの土肥監督らはJICA=国際協力機構などと繋がりがあり、海外選手を積極的にスカウトしてきました。
(シュレイダー・コリン・光瀬選手)「僕の中では本当に楽しくて、みんなも元気があって、本当に僕には合っているチーム」
この日、選手たちは日頃の疲れを癒すため銭湯を訪れました。
カスンバ選手は人前で裸になることが慣れず照れくさい様子でしたが、すぐに気に入ったようです。
(記者)「気持ちいいですか?」
(シュレイダー・コリン・光瀬選手)「ほんとに気持ちいいって言っています。体によくてほんとに気持ちいいって言っています」
(カスンバ・デニス選手)「ベリーナイス」
球団の今の課題は「認知度」。
地元の人たちとの交流を大切にしています。
(菊の湯 熊谷清志代表取締役)「初めてチームと会うことが出来たんだけどすごく楽しかったし、みんな礼儀正しかったし好感持てたし、これからも頑張ってもらいたいなって気持ちです」
独立リーグの公式戦。
カスンバ選手は来日後、初めて先発出場を果たしました。
ウガンダで鍛えてきた強肩を披露します。
守備では必死にボールに食らいつくプレーも。
しかし、打撃は振るわず悔しい結果に終わりました。
努力を積み重ね、旭川で野球選手として踏み出したカスンバ選手。
将来の夢はー
(カスンバ・デニス選手)「将来の夢は日本やメジャーでプロ野球選手になること。僕がキャッチャーで大谷選手がピッチャー、そうなったら最高だね。大谷選手が際どいボールを投げても僕がキャッチングでストライクにする。こうやって!こうやって!」
旭川から世界の舞台へー
カスンバ選手の成長に期待せずにはいられません。