「いじめは殺人」「娘の命を軽視」札幌の中1女子 いじめ自殺で両親コメント いじめ詳細も
札幌市の中学1年生の女子生徒がおととし自宅で自殺した問題で、きのう21日、いじめなどの重大事態を調査する第三者委員会が、「仲間はずれ、無視される」といういじめを認定したほか、いじめを見過ごした学校側の対応に問題があったとする調査結果を公表しました。
女子生徒の両親の代理人は22日記者会見を開き、両親のコメントを発表するとともに、報告書では黒塗りとなっていて公表されなかったいじめの詳細についても明らかにしました。
両親のコメントはA4用紙に直筆で4枚に渡ってつづられています。
以下、両親のコメントの抜粋です。
娘は家では明るく自ら笑いを取り、家族を笑顔にさせてくれる存在でした。
また気がきく子で、進んで手伝いをする優しい子でした。
そんな娘をいじめの的にした加害者に対し怒りが止まらない。
第三者委員会の聴取では、保護者含めお互いになすりつけたりと、とても反省している様子がないと言うか、娘の命を軽視していると言うか、
実名をあげ遺書を書いた娘の気持ちを思うと、憤りを覚え、嘆き悲しんでいます。
加害者からの謝罪については未だにない。保護者含め命を何と思い、我々に対しどのように考えているか問いたい。
私は娘を亡くし遺書を見た直後に「いじめは殺人」と感じた。
大げさに思うかもしれないが、元気だった娘がいじめによって精神を壊されたのは事実である。
同種事案で我々と同じように、一生悔いを背負う家庭が出ないよう願っています。
いじめの詳細を明らかに 公表された報告書では”黒塗り”
21日、公表された81ページにわたる報告書では、いじめの内容などの多くが黒塗りとなっていて、札幌市教委は「条例に基づいてマスキングした」と話していました。
これに対し両親は「公表版をまとめるにあたり、マスキング箇所をもっと外して開示してほしいと再三伝えましたが、『個人が特定される可能性がある』と拒否され、飲み込むしかありませんでした」と話しているということです。
報告書で黒塗りとなっていて、遺族側が公表したいじめの内容は以下の通りです。
・宿泊学習の際、仲間はずれにされ、雪に埋められた
・修学旅行の際、遊覧船から落とされそうになった
・人形の手か足を切り落とすように言われ、切らないと仲間に入れないと強制された
・複数の男子に絵の具で服を汚された
・虚偽の内容が記載された婚姻届けを手渡された
また両親側は、女子生徒が小学生のとき学校の屋上から飛び降りようとした事について、報告書で黒塗りになっていた内容を以下のように公表しました。
・学級担任は、女子生徒に対し扉の鍵を開けて屋上に侵入しようとした理由について「死にたい」などの内容を聞き取っていたが、ほかの教員に共有せず「いたずら」として処理した。
・このことについて女子生徒は後に、ノートに以下の文章を記していた。(公表内容ママ)
「私はおとついぐらいに屋上のかぎを開けようとして、自殺をはかった。先生にバレて失敗した。とても怒られた。しかし、これについて私は不思議に思うことがある。なぜ、助けてくれもしない人が自殺をとめようとする?話きいてくれない人がなぜ私が自殺しようとすると怒る?助けたりしてくれないさるどもに、自殺をとめようとする権利なんてねぇんだよ」
両親は市教委に対しては「再発防止につなげる指導プログラムを作成と言うが、具体的に何をするのか問うても明確な回答を出せない。これでいじめを行う者はなくなるとは思えない。これがいじめで娘を亡くした親の気持ちである」とコメントしています。
◇厚生労働省や自殺の防止活動に取り組む専門家などは、悩みを抱えていたら自分だけで悩みを解決しようとするのではなく、専門の相談員に話を聞いてもらうなどして欲しいと呼びかけています。
※北海道いのちの電話011-231-4343(24時間対応)