「仲間はずれ、無視される」いじめ訴えるも適切に対応せず 札幌の中学生自殺 第三者委が調査
札幌市の中学生がおととし、自宅で自殺した問題について、いじめなどの重大事態を調査する第三者委員会は、いじめを見過ごした学校側の対応に問題があったとする調査結果を公表しました。
(札幌市教育委員会 檜田英樹教育長)「(生徒の命を)救えなかったことに責任を痛感しているところであります。大変申し訳ございません」
おととし札幌市の中学校に通う生徒が、いじめを受けていたことを示す遺書を残し、自宅で自殺した問題の調査結果が公表されました。
第三者委員会がまとめた報告書によりますと、生徒は小学校に通っていた時から、いじめに関するアンケートで「仲間はずれ、無視される」「悪口を言われる」など複数回にわたっていじめを訴えていましたが、小学校側は組織的に対応せず、中学校にもその事実が引き継がれることはありませんでした。
さらに、中学校に進学してからも「気持ち悪い」と言われるなど、いじめは続き、おととし生徒は自宅で自ら命を絶ったということです。
第三者委員会は、一連のいじめ行為がなければ自殺に至ることはなかったとしていて、学校側の組織的な対応などに問題があったと指摘しました。
(篠原岳司前委員長)「出口が見えず継続するいじめによる苦痛・ストレス。それらを教員や学校が適切に受け止め対応してもらえなかったことによる徒労感・無力感。それらが無視できない重要な点だと考えています」
調査の報告を受け、札幌市はいじめ防止基本方針を改定することにしています。
◇厚生労働省や自殺の防止活動に取り組む専門家などは、悩みを抱えていたら自分だけで悩みを解決しようとするのではなく、専門の相談員に話を聞いてもらうなどして欲しいと呼びかけています。
※北海道いのちの電話011-231-4343(24時間対応)