「顔中出血がすごかった」ハンターら2人がクマに襲われる 体長1.2メートル 狩猟中の危険性
北海道滝上町の山中で21日朝、ハンターら男女2人がクマに襲われ、重傷などのケガをしました。
クマは駆除されたとみられますが、なぜハンターが襲われたのでしょうか。
(山﨑記者)「3人はこちらの林道の入り口から車で山に入ったということです」
クマに襲われた現場は、滝上町上渚滑原野の山中です。
警察などによりますと、クマやシカを狩るために午前7時ごろ、滝上町に住む50代の夫婦と東京から来た40代の男性、合わせて3人が山に入りました。
男性2人は猟銃を持っているハンターだということです。
3人は当初一緒に行動していましたが、途中から女性と東京の男性が1組になり、女性の夫は1人で、二手に分かれて行動しました。
その後、午前7時45分ごろ、クマ1頭が男女2人の方に現れ、男性は頭部や右腕、右脚をかまれたりするなどして重傷を負いました。
女性も右腕をかまれるなどしたということです。
女性から「襲われた」とトランシーバーで連絡を受けた夫が駆けつけて、クマを発見し発砲しました。
3人はクマが死んだのを確認してから自力で下山し、夫が消防に通報しました。
救急搬送した消防署員はー
(消防署員)「(男性は)顔中出血がすごかったので、クマによって負傷したのかなと見受けられたので、重傷かなと判断して対応しました。過去に散歩していてクマに襲われたという事例もあって救急搬送しています」
(記者)「ここ最近増えている?」
(消防署員)「そうですね」
専門家は、狩猟では静かに山の中を歩くため、ハンターがクマに襲われる事故は珍しくないといいます。
(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「クマを含めた狩猟で森の中に入って起きた事故というと、一番多いのはクマに対して発砲してそのまま反撃を受けるとか、クマを倒したけれども完全に死ぬ前に接近して反撃されるケースが多い。または今回の場合は分かりませんが、クマに発砲していなかったが、狩猟のために静かに獲物を探して歩いて獲物を探していたところで、ばったりクマに出くわして事故に至るケースも否定できないと思う」
滝上町に隣接する紋別市では、今年5月にクマが11件以上目撃されているほか、6月にはドライブレコーダーが道路を横切るクマを撮影しました。
道警によると、今年1月から10月までのクマの目撃件数は、2019年の同期間の2倍以上に増えています。
クマを駆除する側のハンターがなぜ襲われたのか。
道は今後詳しく調べる方針です。