シシャモ休漁でマチは閑散 別の産地から仕入れ販売 資源量が減少 苦境の北海道むかわ町
「シシャモ」といえば北海道むかわ町が有名ですが、本来であれば最盛期で賑わっているはずのマチが閑散としています。
資源量が少ないため、シシャモ漁が休漁となった影響が広がっていますが、地元では工夫しながらピンチを乗り越えようとしています。
シシャモがこんがりと焼けています。
アツアツをほおばるとー
(東京から来た人)「うん、おいしい。朝、飛行機で東京から来た」
しかし、今がシシャモ最盛期にもかかわらず、食べていたのは男性1人です。
店の前にかかる風物詩・シシャモの「すだれ干し」を見ると「本日の産地は広尾」と書かれていました。
(カネダイ大野商店 大野秀貴社長)「店前のシシャモは途切れないように、道東の産地と密に連絡を取りながら、いい状態のシシャモを仕入れるように手を尽くしています」
シシャモといえば「むかわ」のはずが、ここ数年不漁が続いています。
ことしは事前の調査で資源量が少ないことがわかり、鵡川漁協が今シーズンの漁を取りやめることを決めました。
およそ30年ぶりです。
シシャモ漁が休漁の影響で、観光客の足もむかわ町に向かず、町内は閑散とした状態になっていました。
一方、この状況に町も危機感を募らせています。
(むかわ町 栃丸直士さん)「残念ながらシシャモの資源が減ってきている中で、シシャモのほかにもホッキ貝、恐竜なんかもそうですが、全国の皆さんに1人でも多くの人に知ってもらいたい」
むかわ町では別の特産品「ホッキ貝」を、横浜で開催されたふるさと納税のイベントでアピールしたり、2003年に発見された「通称・むかわ竜」の全身骨格のレプリカを、札幌の都市型水族館「AOAO SAPPORO」で展示するなど、シシャモではないマチの魅力の発信に力を入れています。
いっぽう、シシャモ販売店ではほかの産地から新鮮なシシャモを仕入れるなど工夫して営業を続けています。
訪れた客はー
(札幌からの客)「仕方ないんじゃないですかね。価値的には前と全然変わらないと思います」
(カネダイ大野商店 大野秀貴社長)「むかわの休漁はやはり未来につなげるためのもので致し方なく、苦しいが、来ていただいたお客様においしいシシャモを提供できるように、頑張っておいしいシシャモを作るようにしていますので、むかわに来て召し上がってください」
苦境に立たされているシシャモの町・むかわ町。
さまざまな工夫をしながら、シシャモの不漁と向き合っています。