冷蔵庫を荒らしたクマを駆除 冬眠を前に相次ぐ出没 ハンター不足が深刻化 北海道
八雲町の施設にクマが侵入し冷蔵庫が荒らされるなど、北海道ではヒグマの目撃や被害が相次いでいます。
一方でヒグマを駆除するハンターは不足していて、対策が急がれています。
(被害を発見した人)「冷蔵庫をただ倒したならそこで終わるのにここにあった、朝来たら」
八雲町にある園芸センターで撮影された写真です。
壁側に設置されていた冷蔵庫がなぎ倒されています。
今月28日午前7時ごろ、出勤してきた利用者の女性がヒグマが侵入した跡を見つけたということです。
(被害を発見した人)「冷蔵庫にびっちり物が入っていたのに何もなくなっていて、お昼きょうなしだねって言ったくらい食べられた」
八雲町によりますと、翌日の29日このクマは箱わな駆除されたということです。
道警によりますと、道内では今月20日までにヒグマを目撃したという通報は3509件と、過去5年間で最多となっています。
先月には札幌市南区の住宅街付近でもクマの出没が相次ぎ、ハンターによって駆除されました。
さらに道南・福島町の水産加工所では、イカをスルメに加工する施設にクマが侵入するという大胆な姿も撮影されました。
冬眠に備えてクマが餌を探し回るこの時期、人間とクマの生活する距離が近くなっていることから、道の担当者はさらなる注意が必要だといいます。
(北海道ヒグマ対策室 武田忠義主幹)「人間の活動が縮小して、農地が放棄されたり農作業をすることが減ったので、クマが恐れずに林から姿を現せるようになった」
厚岸町のハンター・久松昭治さんです。
(久松昭治さん)「30年以上前、私が銃を持った時はクマなんて見たことがなかった。今は普通に見られる。異常事態なんですね、増えすぎて」
そしていま、問題となっているのがハンター不足です。
北海道猟友会に所属するハンターは5361人で、高齢化と新たな成り手不足もあって、この40年間で4分の1まで減少しています。
(久松昭治さん)「本当に危ないね、クマは。命を落とすから。昔と違ってハンターが増えることはないですよね」
人里とクマの生活圏が近づきハンターが減る中、増えるクマにどう対応していくのかー
具体的な対策が急がれます。