あの“札幌のおにぎりの名店”も値上げ…新米入荷も高騰続くコメ…そのワケは?農水省を直撃!
茶碗によそわれる白米。
北海道厚真町でとれた新米「ななつぼし」です。
苫小牧市内では2024年10月2日、小中学校などの給食に新米が提供されました。
子どもたちも口いっぱいに白米をほおばります。
(子ども)「おいしいです」
(子ども)「いつもよりおいしいです。もちもちしていていい香りがする」
天候にも恵まれた2024年。
全国的にコメの収穫量は平年よりも多いと言われています。
コメ不足が続いていたなかで、農家の喜びもひとしおです。
(厚真町の農家 堀田昌意さん)「コメ不足の時にコメがとれる年でよかった。残った“そらゆたか”(品種)をしっかりとって終わらせたい」
札幌市内のスーパーではすでに新米が売られていましたが…
(山本記者)「令和のコメ騒動ともいわれていたコメ問題ですが、在庫量は十分に確保できているようです。しかし値札を見てみると3000円以上の値段が並んでいます」
こちらの店では先週ごろから道産の新米が安定して入荷できるようになり、在庫は十分に確保されていました。
しかし価格を見てみると、どの新米も5キロで3000円以上。
2023年より1000円ほど高くなっています。
(客)「高いねぇ、高いですね。前は2000円前後で買っていましたよね。今なら最低3000円しています。なんでこんな高いんですかね」
(客)「(前と)同じくらいの値段に戻ってほしい。500円以上は下がってほしい、高いですね」
影響はこんなところにも…
(山本記者)「日本人の国民食ともいえるおにぎりにも影響が。こちらの店舗では9月から値上げに踏み切りました」
こちらのおにぎり専門店では、9月からおにぎり1つあたり60円値上げしました。
仕入れているコメの値段が高騰しているためです。
(おにぎりのありんこ 南部均社長)「我々もこの値段で耐えなきゃいけないので、お客さんにも何とか今まで通り利用してほしい。来年以降どうなるのか不安の方が大きい」
コメ不足は解消されて在庫があるにもかかわらず、なぜ価格は下がらないのかー
国はコメの需要と供給のバランスがとれはじめ、物価高が価格に反映された結果だと話します。
(農林水産省北海道農政事務所 伊沢航生産経営産業部長)「コメはここ何年か余り気味だったが、近年になって生産量と需要量のバランスがとれてきた。生産に必要な経費が価格に転嫁されるようになってきたのが影響して、コメの価格があがってきている」
農薬肥料などの資材費が値上がりするなか、大規模災害が続いたことでコメの需要が高まったため、高騰が続いているということです。
(農林水産省北海道農政事務所 伊沢航生産経営産業部長)「コメ不足の問題による影響は次第に落ち着くと思う。今後の経費の上昇分についてはどうなるのか、肥料代や物流費など問題があるので注視していきたい」
コメ不足に続く「高騰」という新たな問題。
コメの値段はしばらく高値が続きそうです。