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赤字脱却へ 札幌ドームが命名権を募集 希望金額は年間2億5千万円以上 日本ハム移転で収益減

2024年1月10日 12:18
赤字脱却へ 札幌ドームが命名権を募集 希望金額は年間2億5千万円以上 日本ハム移転で収益減

札幌ドームの指定管理者である札幌市の第三セクター・札幌ドームは9日、新たな収入を確保するため、札幌ドームの命名権(ネーミングライツ)を募集することを発表しました。

募集期間は1月9日から2月29日までで、愛称に「ドーム」を含めることなどが条件です。

契約は2024年度から2~4年の複数年で、希望金額は年間2億5千万円以上としています。

3月中の公表を目標に選定し、4月ごろから新たな愛称の使用を開始する予定です。



ファイターズ移転で収益低迷

命名権を募集する理由として、札幌ドームは収益の改善をあげています。

ファイターズが北広島市の新球場に移転したことで、札幌ドームでは年間およそ60日と利用の半数近くを占めていたファイターズの試合がすっぽりと空いてしまいました。

札幌市がおととし公表した5か年計画では、2023年度は2億9400万円の赤字が見込まれていて、光熱費の高騰などでさらに膨らむことも懸念されています。

そこでファイターズが抜けた穴を埋めるため、札幌市と札幌ドームが大きな柱として打ち出したのがコンサートの「新モード」です。

大きなカーテンで会場を仕切り、収容人数4万人の半分、2万人規模のコンサートで利用してもらう計画でした。

しかし、現在のところ利用実績はわずか2件にとどまっていて、収益の確保が課題となっていました。

札幌ドームの命名権をめぐっては札幌市が2011年に2度公募しましたが、企業側と折り合いがつかずに断念していました。

当時は年間5億円で5年契約を見込んでいました。

今回、希望金額を年間2億5千万円以上に設定した理由について、「札幌ドームの広告価値を調査し、鑑みた結果」として、広告収入の拡充を強化したいということです。

ファイターズが北広島市で開業した新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」は、関東や関西を中心に不動産事業を展開する日本エスコンが命名権を獲得。

契約期間は10年以上、金額は50億円超で、球団によりますとスポーツ施設としては国内最高だということです。

札幌ドームは命名権の価値を高めるために「協賛してもらえる企業とともに札幌ドームの魅力を高めていきたい。まずは札幌ドームに興味を持って欲しい」と話しています。