減便待ったなし…札幌・じょうてつバスも 超深刻運転手不足 道内各地路線維持の取り組みを探る
札幌の「じょうてつバス」は、2024年2月13日から深刻な運転手不足のため、平日の路線バス51便の減便を始めました。
道内各地ではバスの減便が相次いでいますが、路線維持のため、ある思い切った対策を始めた自治体もあります。
(記者)「真駒内駅のバス停にはバスの減便のお知らせが貼っています」
じょうてつバスでは13日から3月29日まで、南区の地下鉄の真駒内駅から川沿や藤野地区などを結ぶ路線バス51本が減便されました。
減便となったバスの多くは平日の通勤・通学の時間帯ということもあり、利用者からは困惑の声が上がっています。
(バス利用者)「アルバイトに行くために利用しているが、(便が減ると)早めに着いたり間に合わなかったりするので大変です」
背景にあるのは運転手不足です。
じょうてつバスでは退職や給食が相次ぎ、これまでのダイヤを維持するためにはおよそ30人運転手が不足したということです。
路線バスが減便された別の停留所では…。
(バス利用者)「ええっ!」
(バス利用者)「えっなくなったの?」
13日からの減便を初めて知った人の姿も見られました。
(バス利用者)「はっ、あら、そうですね、急に知った感じ。しかたないですけどね、ちょうど使う時間だったので」
また、JR北海道バスでも1月29日から4本の減便に追い込まれるなど、道内ではバスの減便が相次いでいます。
そんななか、オホーツクの遠軽町ではバス路線維持のため、ある思い切った施策を始めました。
(小出カメラマン)「バスに乗り込んだらいつも通り整理券をとります。降りるときはこちらにある箱に整理券を入れる。ただこれだけで2月末まで無料でバスに乗ることができる」
遠軽町が始めたのは2月末までの1か月間、町内を走る2路線のバスの料金を無料とするキャンペーンです。
町民だけでなく誰でも無料でバスに乗れます。
無料のキャンペーンをきっかけにバスに乗ってみたという人もー
(バス利用者)「(普段バス利用は)ほとんどしてない。クルマも手放さないといけない年なのでバスはどこを走るのか調べるのと。こんなにあちこち寄ってくれるとは思わなかった」
遠軽町の担当者は期間限定の無料バスの狙いをこう語ります。
(遠軽町企画課 中原誉課長)「バス利用者の掘り起こしが(バス路線)存続の重要なテーマの一つ。バス事業者を支援したいということを考えたとともに、町民でバスに乗ったことのない人もいらっしゃいますので、無料バスということでまず乗っていただいて、継続的な利用もしていただきたいなと」
運転手不足や燃料の高騰、そして利用者減による採算の悪化。
地域の足であるバス路線をいかに守るのか模索が続いています。