ゆかりのマチ北海道・十勝…北洋銀行清水支店の“新紙幣奮闘記”に渋沢栄一も喜んでいる?
20年ぶりとなる新しい紙幣が2024年7月3日に発行されました。
さっそく入手しようと銀行には行列ができるなど、北海道内各地で盛り上がりを見せました。
(油野アナウンサー)「すでに新紙幣対応の準備が整ったということで、中にはおよそ30人の方が並んでいます」
札幌市の北洋銀行本店です。
新しい紙幣を手に入れようと、両替機の前には長い行列がー
(並んだ人)「僕は25分か30分くらい」
(並んだ人)「10分ほどです。1時からと聞いていましたから」
千円札には感染症の予防と治療に貢献した、北里柴三郎。
五千円札には日本の女子高等教育の先駆者・津田梅子。
一万円札には近代日本経済の父・渋沢栄一が描かれています。
変わるのはデザインだけではありません!
(森永記者)「お札を傾けると肖像画の向きも変わります」
「3Dホログラム」と呼ばれる偽造防止技術。
紙幣に採用されるのは世界初です。
列に並んで入手した人はー
(入手した人)「とりあえず記念でとっておきたいな。新紙幣が全国に広まるようになってから使おうかなと思っています」
(入手した人)「人が触れてないお札という感じですべすべしています」
新紙幣への対応はどうなっているのでしょうか。
(吉岡記者)「地下鉄大通駅の券売機です。上の表示を見ると新紙幣〇と大きく書かれています。新紙幣を入れてみると、1000円と表示されました」
地下鉄の券売機は8割が対応済みということです。
日本銀行札幌支店です。
午前7時すぎから、道内の各金融機関に向かうケースに新紙幣の束が入れられました。
3日に発行された新紙幣は全国でおよそ1兆6000億円分。
このうち道内にはおよそ500億円分が流通します。
(日本銀行札幌支店 爲房真充さん)「最新の偽造防止技術を搭載するとともに、どなたにもより分かりやすいものとすることを目指しています。新しい日本銀行券が円滑に流通していくよう、今後とも万全を期していく」
新紙幣発行にひときわ盛り上がるマチがあります!
気温計が30度を超えた、十勝の清水町です。
この暑さを上回る熱気に包まれました。
入念に準備していたはずのくす玉はまさかの裏返し、しかしそれもご愛敬!
実は、清水町は渋沢栄一が全国で唯一、開拓に携わったマチなのです。
この地から欧米のような大規模農業を全国に広げよう…
そう考え、1898年に「十勝開墾会社」を設立し、清水町の礎を築きました。
(武田記者)「清水町の式典会場です。ご覧のように満席で後ろには立っている人もいます」
清水町と関わりの深い渋沢栄一が描かれた新1万円札。
マチ全体が祝福ムードに包まれました。
(清水町民)「いまの清水町があるのは渋沢栄一のおかげと言っても過言ではない。清水町の歴史を作ってくれてありがとうございました!」
このマチにいち早く新1万円札を届けようと舞台裏で奮闘していたのが、北洋銀行・清水支店です。
朝一番で日本銀行から受け取った新1万円札の記番号は、マチの名前にちなんで432。
支店長自ら重厚な額縁に飾り、足早に記念式の会場へと向かいます。
式が開始する直前に無事到着!
道内最速とみられる新1万円札に報道陣も釘づけです!
さっそく町民にもお披露目!
(清水町民)「あんまり見慣れなくて、これが手元に届くことに実感がないです」
(清水町 阿部一男町長)「新1万円札を持って清水町を観光してもらって、おいしい食事をしたり景観を見に来ていただいたり、それによって経済がまた循環してくれればいい」
待ちに待った新紙幣の発行!
新たなお札は各金融機関の準備が整い次第、順次流通することになります。