岐路に立つ「短期大学」 募集停止や4年制大学の開学 生き残りへ試行錯誤 北海道
北海道の「短期大学」が揺れ動いています。
今年で募集を停止したり、生き残りをかけて新たに4年制の「大学」を新たに開学するなど、知恵を絞りながら学生の確保に向けた改革が進んでいます。
(新入生代表)「本学1期生の学生としての自覚と誇りを持ち、社会における実践力を身につけた女性になることを目標に」
札幌市北区に新たに開学した4年制の「北海道武蔵女子大学」です。
学部は経営学部のみで「経営学」を専門的に学ぶことができます。
およそ60年に渡り「短大」を運営していた学校法人でしたが…
(北海道武蔵女子大学 吉地望副学長)「多様化する高校生や企業や組織のニーズに対してお応えしたいということで、4年制大学を開設します」
学校法人では、短大を目指す学生が減少傾向にある一方で、4年制大学のニーズが高まり「大学」を新設しました。
「短大」と「大学」の両輪で学生を確保したい考えです。
早速授業のガイダンスが行われ、新入生およそ80人が出席しました。
学生たちが取り組んでいるのは「座学」ではなく「グループワーク」。
テーブルに置かれた文字の切れ端を他のテーブルの切れ端と組み合わせて、1つの文章を作るというものです。
(新入生)「武蔵女子大学に決めた理由が、こういうグループワークがあることだったのですごく楽しいです」
(新入生)「みんなと触れあえてすごく楽しかったし、仲良くなれそうな雰囲気もあった。このあともいろいろな人と関わっていきたいです」
この大学の特色は「課題解決能力の育成」です。
学生には、周りと協力し合いながら社会で実践力や想像力を身につけさせることが狙いです。
(北海道武蔵女子大学 宮本知加子准教授)「授業が上手くいくためには、学生同士が普段から仲良くなったり学びあうというフィールドを作っていく必要がある。自分で起業したり個人事業をする学生たちも輩出していけると思う」
道内に「大学」は40校近くありますが、「短大」は少子化の影響などで過去20年で23校から14校にまで減りました。
最近では「北星学園大学短期大学」が2025年度以降の学生募集を停止すると発表しました。
少子化や新型コロナウイルスの影響で志願者数が減っていることが主な理由でした。
さらに、深川市にある「拓殖大学北海道短期大学」でも2つの学科があるうち、保育学科の学生募集を2025年度以降に停止すると発表しました。
保育士や幼稚園の先生などを保育の現場に送り出してきましたが、最近では新入生が100人を下回る状態が続いていました。
(拓殖大学北海道短期大学 田中英彦学長)「本学にいろんな魅力があるのですが、本学(短大)に行きたいという高校生の皆さんの希望を叶えることが出来なくなったのは、じくじたる思いがある」
社会が多様化する中、道内の短期大学では学生をどう確保していくか。
知恵を絞りながらの運営が続いています。