「町村王国」の崩壊…“裏金議員”が落選 「古い政治と決別」国政へ復帰 北海道5区の攻防
与党惨敗の要因は「政治とカネ」の問題で、国民の怒りをかったことは間違いなさそうです。
北海道5区は4度目となる「因縁の対決」となりましたが、いわゆる「裏金問題」をめぐり有権者の判断が如実に示されました。
その戦いを振り返ります。
支援者の前に姿を見せたのは午後11時すぎ。
厳しい表情で、ひたすら頭を下げます。
目頭をぬぐう仕草もー
(自民党 和田義明氏)「期待に応えられなかったこと、応援してくださった人が離れてしまったこと、私の不徳のいたすところです。心からお詫びを申し上げます」
自民党の前職・和田義明さん。
対立候補につけられた差は2万票以上。
義父の時代から強固な地盤に支えられた「町村王国」が崩壊した瞬間です。
道内の候補者の中で唯一の“裏金問題の当事者”。
990万円の政治資金収支報告書への不記載が判明し、党公認こそ得たものの、比例代表での重複立候補は認められませんでした。
どこに行ってもお詫びから始まる異例の選挙戦。
その和田さんから議席を奪ったのは、立憲民主党の池田真紀さん。
国政復帰も3年ぶりー
4度目の挑戦にして、初めての小選挙区での勝利。
28日朝は、自身の当選を報じる新聞に笑顔も見せましたがー
(立憲民主党 池田真紀氏)「今回は裏金にスポットがあたりましたけど、お金の使い方と国民の暮らしのギャップが大きすぎて、そこに対する怒りだったんじゃないでしょうか。裏金(批判)を言うなって言われたんですよね、評判が悪くなるからって。でも5区で言わなくてどうするのって思ったので負けずに言いました」
「不信だらけの政治」を「信頼できる政治」に。
すでに池田さんも走り出しています。
(立憲民主党 池田真紀氏)「古い政治の決別の第一歩、スタートラインに立てた。本当の自治をここから作り上げていく」
長年、代々守ってきた議席を失った和田さん。
2024年10月28日。
きょうが捲土重来の最初の日です。
(自民党 和田義明氏)「自分自身としても応援してくださったみなさまにも本当にやり切ったと思います。完全燃焼したと思います。いろいろな人から声をかけていただいてやはり、この思いは大事にしないといけない。その思いにこたえるには私自身としてなにができるか考えていきたい」
繰り返される「政治とカネ」の問題。
まん延する政治不信をどう解消するのかー
北海道5区の戦いはひとつの答えを出したと言えそうです。