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30年度「極めて困難」新幹線札幌延伸…建設主体が報告 再開発影響大「エスタも閉まったのに」

2024年5月8日 16:19
30年度「極めて困難」新幹線札幌延伸…建設主体が報告 再開発影響大「エスタも閉まったのに」

北海道新幹線の建設を進める鉄道・運輸機構は2024年5月8日、2030年度末としている札幌開業が困難な状況であると国に報告しました。

まちづくりへの影響も懸念されています。

午後、国土交通省を訪れた鉄道・運輸機構の藤田理事長。

(鉄道・運輸機構 藤田耕三理事長)「建設を進めている北海道新幹線の新函館北斗ー札幌間の完成・開業の見通しについて、建設主体である私どもの判断のご報告に参りました」

2030年度末としていた北海道新幹線・札幌延伸の開業が、極めて困難な状況にあることを斉藤大臣に報告しました。

(鉄道・運輸機構 藤田耕三理事長)「北海道新幹線の開業を待望しておられる沿線の皆さまに、こういう形でご心配をおかけすることに心から申し訳なく思っています。お詫びを申しあげます」

新函館北斗から札幌への延伸を目指す北海道新幹線。

長さ212キロの8割を占めるトンネルの掘削工事が進められてきましたが、2021年、羊蹄トンネルで巨大な岩が見つかり、掘削が一時中断。

鉄道・運輸機構は最大4年の遅れが出ていることを明らかにしていましたが、開業の延期についてはこれまで明言を避けてきました。

新幹線の駅が建設される倶知安町です。

ニセコ地区には多くの観光客が訪れていますが、町民からは落胆の声が聞かれました。

(倶知安町民)「できるだけ早い方がいいと思いますね、倶知安の経済としても」

(倶知安町民)「そこに合わせてこのあたりいろいろ工事が入っているので、気持ちとしては延期してほしくない」

(青柳記者)「新幹線の札幌延伸延期を受けて、駅周辺の再開発にも影響が出るかもしれません」

札幌駅前では新幹線延伸を見据えて再開発事業が進められています。

現在の札幌駅の東側には交通ネットワークの中心となる新幹線の駅がつくられー

バスターミナルがあったエスタの跡地周辺には、高さ245メートルの超高層ビルの建設が予定されています。

マチのひとはー

(札幌市民)「開通に合わせてまちづくりを変えなきゃいけなかったところとかあると思うので、できるだけ早くつながってほしい」

(札幌市民)「エスタも閉まっちゃったし、バスとか利用している人も地方から来た人はどこで降りればいいのとかどこで乗ったりいいのとか戸惑いはある」

専門家は、新たな開業目標を早期に示す必要があると訴えます。

(北海道大学工学研究院 高野伸栄教授)「エスタもなくなりパセオもなくなり駐車場も再開発のために使えなくなったり、バス停が分散したり、駅の利便性がすごく低下しちゃっているわけですよ。それが長年に及んでなおかつ先行きが見通せない、いつ完成するか見通せないという状況になりますと、市民の皆さんが札幌駅周辺から離れていく。開業までの間に絵姿をきちんと見せて、そしてタイムスケールを示すということが非常に重要」

国は今後有識者会議を開き、新たな開業時期などについて協議する方針です。