飲食店で輸入牛肉の提供中止 バナナやアボカドも値上がり 記録的な円安の影響続く 北海道
記録的な円安の影響で、輸入食品の値上がりが続いています。
飲食店では輸入肉離れが進み、スーパーでは買ってもらうため、あの手この手の努力がにじんでいます。
(百瀬記者)「札幌市内の飲食店です。円安の影響で外国産の牛肉がピンチとなっています」
この店では半年ほど前から、輸入肉を使った一部メニューの提供を中止しています。
(MASUYA MEAT & CRAFT BEER 吉野正人社長)「ウルグアイ産のリブアイ。半年以上前から値上がりしてしまって、うちの方では取り扱いできないと」
円安の影響で、牛肉の仕入れ値は1キログラム4000円から6000円にまで上がりました。
(MASUYA MEAT & CRAFT BEER 吉野正人社長)「安く食べたいという方には輸入牛を使って取り扱っていたが、それがどんどん高くなって使えない状況」
26日には1ドル=160円台まで下落するなど、円安に歯止めはかからず、37年6か月ぶりの記録的な安値となっています。
(財務省 神田財務官)「最近の急速な円安の進行に関しては、深刻な懸念を有しておりまして、高い警戒感を持って市場の動向を注視しております」
(百瀬記者)「円安の影響は私たちの生活に身近なものにも影響が出始めています」
札幌市内のスーパーです。
バナナやキウイ、アボカドなど輸入食品の値上がりが止まりません。
買い物客もすでに諦めムードです。
(客)「今もうなんでも上がっているから高いとも安いとも言ってられない」
(客)「値段的にもかなり上がっていると思います。フルーツが(食卓に)登場する回数が減ったかもしれない」
この冬はおよそ150円だったバナナは今は181円に。
物価高が続く中、店側は価格を上げにくいと感じています。
(キテネ食品館 青果売り場担当 田中秀敏さん)「今まで売っている値段として、この商品だったらいくらというのがお客さんの中であると思うんですよね。それを例えば198円だったのが250円にできるのかっていう感じですよね。厳しい面があると思います」
この店では個数限定で安売りするなどして、どうにか値段を上げずに提供したいとしています。
経済に詳しい北海学園大学の西村教授は、日米の金利差が背景にある今の円安の状況は、しばらく続くのではないかと予想します。
(北海学園大学経済学部 西村宣彦教授)「金利を上げると景気にマイナス要因になるので、経済が強くないと金利を上げる判断をするのは難しい。物価高だったりで景気が力強く回復していくという感じではないので、金利を上げていくことについては慎重になっていく」
輸入食品の価格上昇など、生活に直結してくる円安の影響。
まだまだ厳しい状況が続きそうです。