7つの病院を“総合病院化” 無料の送迎バスで結ぶ 車がない患者の利便性向上 札幌市清田区
7つの病院を無料バスで結ぶ実証実験が、札幌市清田区で始まりました。
背景には患者の利便性向上と、清田区ならではの事情がありました。
21日から実証実験が始まった無料送迎バス。
その名も「きよっちメディカルバス」です。
国の助成による実証実験で、札幌市清田区にある7つの病院を無料で送迎します。
車の運転ができない高齢者などの支援のほか、いちばんの狙いはー
【総合病院化】
実は清田区には、多くの病床や診療科を備えた「総合病院」がありません。
さらにJRや地下鉄も通っていないため、複数の病院をまわることが困難な患者もいました。
そこで7か所の病院・19の診療科をバスで結ぶことで、地域の総合病院としての機能が期待されているのです。
(病院利用者)「車が運転できない人がいると思うので、こういうバスがあるのは便利」
(病院利用者)「いろいろ回りたくても回れないのはちょっとね。こういうバスはあったほうがいい」
バスを利用するには専用のアプリを使います。
(森永記者)「実際に使ってみたいと思います」
アプリの画面を開き、どの病院から次どこの病院に何時に行きたいのかなど希望を入力。
しばらくするとー
(森永記者)「時間通りに来てくれました」
患者の入力情報をもとに、人工知能が効率的な運行ルートを算出。
ドライバーはその指示に従って送迎します。
アプリの開発者は、人工知能によって従来の送迎バスの課題が解消できると話します。
(未来シェア 松舘渉代表)「(従来の病院送迎バスは)実際に乗ってくるかどうかわからないところを走らないといけなかった。需要に応じてすべてのルートを決められるし、遠回りしなくてもいいし、最短で最も効率のいいルートを走る」
(札幌美しが丘脳神経外科病院 高橋明理事長)「まず医療機関同士で利便性が確認された場合、清田区で買い物や行政手続きでも無料送迎バスで便利に生活ができるというのを目指そうかなと思います」
現在は1台のバスで実証実験をしていますが、将来的には台数を増やして地下鉄の駅とも結ぶ計画だということです。