【特集】キーワードは「独立型」「地域とのつながり」 無印良品の新たな出店戦略とは?《新潟》
シンプルなデザインが人気となっている「無印良品」の商品。今これまでとは違った形態で「無印良品」の出店が増えているといいます。その狙いとは。
生活用品に、衣料品、食品まで。最近、無印良品の商品を目にする機会が増えている気がする・・・。気になった記者が向かったのは、ことし3月に新潟市南区にオープンした店舗。
話をうかがったのは海外店舗の立ち上げも経験した樋熊朋史さん、新潟市出身です。
良品計画 営業本部 樋熊朋史さん
「私たちの商品は日常生活を支えていく商品だとモノづくりをしてきましたけど、周りを見渡してみると日常生活の中に無印良品のお店がまずないという」
これまでは主にショッピングセンターなど商業施設のテナントとして出店してきた無印良品。
いま力を入れているのはスーパーマーケットと隣接した“独立型”の店舗です。
去年6月、新潟市東区にオープンしたのを皮切りに、10月には燕市、ことし3月には新潟市南区と、スーパーと同じ敷地に“独立型”の店舗を出店しました。
その狙いとは・・
良品計画 営業本部 樋熊朋史さん
「スーパーマーケットって、最も日常に近いお店だと思っていて、出店を日常の近くにシフトしていくとともに商品の開発自体も、わりといま消耗品領域は強化して開発をしています」
夕食などの買い物の「ついで」に立ち寄ってもらうことで、無印良品を知らなかった人に興味を持ってもらうこと。
逆に無印良品を目当てに来た人にはスーパーで買い物をしてもらうという相乗効果が生まれることも期待しているといいます。
さらに、店舗を見回すと気になるものが。
良品計画 営業本部 樋熊朋史さん
「白根の大凧合戦って有名で」
この地域を代表する祭り「白根大凧合戦」の凧です。
24畳もある本物はさすがに大きすぎるということでレプリカを展示しています。
来店客
「しかも桜町(の凧)じゃないですか」
Q分かるんですか?
「本当の地元の凧です」
他にこんな展示も。
良品計画 営業本部 樋熊朋史さん
「この白根絞りという藍染なんですけど」
店の外からも見える場所に展示されているのが新潟市の無形文化財にも指定されている「白根絞り」。
産業としての生産は終わっていますが、地元の市民グループが制作しています。
来店客
「すごい。私も絞りをしているので先輩の作品なので見学に寄りました」
大事にしているのは地域とのつながりです。
地元の生産者や事業者が出店する「つながる市」を開催。
逆に、地域のイベントに無印良品が出店することもあるといいます。
目指すのは「地域のコミュニティセンター」です。
良品計画 営業本部 樋熊朋史さん
「地域の方から信頼をされないとコミュニティセンターって一言で言ってもなかなか実現しないと思っているので、少しづつ信頼関係を築きながらそういった場所になれたらよいなって」
ほかにも、燕市の店舗では、金属製品を作る際に出る廃材を店舗デザインに活用するなど
地域ならではのアイデアを採用。
樋熊さんをはじめ、スタッフは出店する地域をめぐり、その土地の文化を学んでいるといいます。
良品計画 営業本部 樋熊朋史さん
「地域の方々に店舗に立ち寄った時に自分たちの地元が誇らしく思えたりとか、(私たちは)よそ者なので、よそ者が地域で役に立てるためには、どういう店舗の在り方、商品の在り方がよいのか模索しながら」
2024年5月3日「夕方ワイド新潟一番」放送より