世界遺産登録を目指す「佐渡島の金山」 イコモスの勧告に戸惑いも 島内外から登録を待ち望む声 《新潟》
世界遺産登録を目指す「佐渡島の金山」。ユネスコの諮問機関、イコモスは先週、追加情報を求める「情報照会」の勧告を出しました。歴史と伝統の残る佐渡…島の内外から登録を待ち望む声が聞かれました。
宵の口に響く三味線や鼓の音色。
金山のおひざ元、相川地区にある京町通りで毎年恒例の「宵乃舞」が行われました。
金山が栄えた江戸時代初期、メインストリートだったと言われる京町通り。
江戸時代から続く「相川音頭」に合わせ、着物や編み笠に身を包んだ人たちが踊りながらまちを練り歩きます。
〈愛知県から〉
「豪華で品があって良かったです」
〈北海道から〉
子ども)
「すごい不思議な踊りだった」
父親)
「とても感動的で、こういう歴史があるんだなと思ってとても感動させていただいた。ぜひ世界遺産に選ばれるように なっていただきたいと思っています」
佐渡の繁栄を支えた「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」からなる「佐渡島の金山」。
先週、イコモスから勧告されたのは「情報照会」。3つの追加情報の提出を求めました。
幻想的な雰囲気に包まれた京町通りで、特別な場所で宵乃舞を眺める人の姿がありました。
相川でまちづくりに励む団体「相川車座」の社長雨宮隆三さん。
日中、案内してくれたのは…
〈相川車座 雨宮隆三社長〉
「何が一番の売りかと言うと、ここから眺める京町通りと景色ですよね」
江戸時代から残る古民家を改修した宿泊施設。7月下旬にオープンする予定です。
〈相川車座 雨宮隆三社長〉
「金山が開かれたことでできた、 この街自体が、この街の魅力だし、世界遺産登録を目指せるだけの 魅力だと思ってます」
まちの魅力に触れるきっかけとして手掛けた宿泊施設。イコモスの勧告が発表された日、地元の人に向けた内覧会が開かれました。
〈イギリス出身 佐渡在住〉
「すごく素敵と思って。古い木材を補修してるから。泊まってみたいなと思います」
〈佐渡在住〉
「登録されてもされなくてもここはすごく素敵な場所だと思うので、少しずつ話題性が高まって、訪れてくれる方が増えるといい」
一方、「佐渡島の金山」の構成資産の一部、鶴子銀山では地元のボランティアが草刈りや傷んだ柵の取り換えなどを行いました。「望み通り」とはいかない勧告に戸惑いもありましたが世界遺産登録に向けて後押しする動きは変わりなく続いています。
〈鶴子銀山へつづく道を歩こう 佐々木弘喜 会長〉
「地元の宝である鶴子銀山これを守って伝えていきたいという思いに変わりはない」
「佐渡島の金山」は7月21日から開かれる世界遺産委員会で登録の可否が決まる見通しです。
島の宝を世界遺産へ。期待する思いは変わっていません。