【特集】豪雪地の生活必需品「灯油」の配達に密着 住民は価格高騰に悩む《新潟》
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連日続く厳しい冷え込み。生活の必需品ともいえる灯油の配達に密着しました。豪雪地で暮らす住民。灯油の価格高騰に頭を悩ませています。
雪に覆われた魚沼市を進む1台の車。
灯油などを届ける配達業者です。
灯油の配達などを行う会社「ハセガワ」・櫻井東央さん
「ぼこぼこの雪道とかで普段よりも気を使って運転しています、車が重い分、止まるのが遅いので」
まず向かったのは除雪業者。
車庫に並んだ除雪車に次々と軽油を入れていきます。
除雪車は住民の生活道路を確保するために早朝から出動していて、1日に何度も給油に訪れるといいます。
ハセガワ 櫻井東央さん
「雪が降れば除雪車が出動するので、1回出動すると呼ばれて給油してという感じで、去年が少なかったので、ことしは多く感じますね」
この時期は3台の車を稼働し、1日50軒ほどの依頼に対応しているといいます。
特に多いのが一般家庭からの依頼です。
灯油は部屋の暖房や給湯に欠かせない必需品です。
玄関先のタンクに灯油を注いでいきます。
その時…。
取材を始めた矢先、住民の背後で屋根からの落雪が。
屋根からの落雪。
実は灯油と深い関係があるといいます。
住民
「こういう風に自然落下なので、家の中があまり冷えちゃうと屋根の雪が滑らなくて、家の中がある程度暖かくないと雪が落ちないので」
室内の温度を上げることで屋根に接する雪が解け、自然に落雪する仕組みになっています。
住民
「(ストーブは)各部屋に1台ずつある。冷えたままだと(雪が)落ちないものですから、(灯油は)1か月にだいたい500リットル使うんじゃないか」
しかし、頭を悩ませるのが燃料費の高騰です。
櫻井さんの店舗では現在、配達の灯油価格は1リットル135円。去年12月以降政府の補助金が段階的に縮小され、10円ほど値上がりしました。
それでも豪雪地の住民にとって灯油は欠かせません。
住民
「気にしていても、こればっかりは、ちょっと、なくていいや我慢、というものでもない、覚悟して頑張っています」
ハセガワ 櫻井東央さん
「雪もそうですし、寒さも続くので、1か月2か月ぐらいは灯油と軽油の配達続くと思いますので、また気を付けて配達したい」
この時期の必需品ともいえる灯油。住民の生活を守るため配達業者はこれからも安全第一に届けます。
2025年2月20日「夕方ワイド新潟一番」放送より