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【能登半島地震】液状化被害の新潟市西区 思い出詰まった自宅を手放す人 移転を考える飲食店《新潟》

2024年1月14日 16:33
【能登半島地震】液状化被害の新潟市西区 思い出詰まった自宅を手放す人 移転を考える飲食店《新潟》
1月1日に発生した能登半島地震。液状化現象による被害が多く発生している新潟市西区。被害のあった自宅を手放す人や移転を考える飲食店も。液状化の被害を受けた人たちを取材しました。

ボランティア活動再開

道路脇に積みあげられた多くの土のう袋。液状化現象による被害が相次いだ新潟市西区では、雪の影響で中断していたボランティアの活動が10日、再開しました。

住民
「すごく助かります。人手が必要というのを実感したので自分たち家族2人夫婦だけでは難しいというのを実感したので」

住民
「私ら一人で、こんなにできないですもん。これだけ必要な本当にありがたい話です」

泥で排水溝が詰まる

住民は復旧作業を続けていますが、地震による液状化現象で噴出した泥や砂で道路脇の排水溝が詰まり、雨水がたまってしまう事態も。雪や雨が降る中、ボランティアと一緒にかき出し作業に追われていました。

長岡市からのボランティア
「20年前、長岡市も中越地震で大きな災害、被災しましたので少しでも恩返しができればと」

大学生
「西区で一人暮らしをしていて、自分の住んでいる地域に少しでも力になれればと思って参加しました」

リポート
「新潟市西区の鳥原地区です。ここでも液状化の被害が相次ぎ、道路上には未だ土砂が埋め尽くしています」

片付け中の住宅を見せてもらうと

鳥原地区では、液状化により住宅が傾いたり道路が陥没したりする被害が出ました。10日、被害の調査や修復作業が行われていました。雪が降る中、片づけに追われる人の姿も。青柳智子さんに自宅の中を見せてもらうと。

家が傾く 大きな隙間が

青柳智子さん
「かなり角度がついて、泥水が上がってしまって、北向きに下がっちゃって、傾斜が付いた。これ、そこからヒビが入っている。向こうの家から亀裂が続いて畑の方までつながって」

キッチンと和室の間には大きな隙間が。液状化により家が傾き、分断された状態になっているといいます。

自宅を手放すことに

青柳智子さん
「北と東に両方傾いている。とても住める状況ではない」

鳥原地区に住み続けておよそ40年。我が家を手放すことを決めました。10日は、息子の貴士さんと、自宅にある物の整理を行うことに。

思い出のランドセルも

青柳智子さん
「かわいいね。お兄ちゃんが使ってた。懐かしいですけれど」

思い出が詰まったランドセル。

青柳智子さん
「全部撤去ですね、必要最小限のものしか」

Q捨てに行かれる?

息子の貴士さん
「そうですね、これから」

思い出が詰まった家

Q 自分の育った家がこうなってしまって?

息子の貴士さん
「一言では何も言えない、思い出が沢山詰まっている、良いことも悪いことも、喜んだり泣いた時も沢山あった、辛いですけどね、前向いて歩かないといけない」

婚礼タンスも持ち出せない

2階には青柳さんにとって大切な物がありました。

「私の婚礼タンスです、嫁入り道具です」

亡くなった父から結婚の時にもらったタンス。これだけはなんとか持ち出したいといいますが、タンスがある部屋は液状化により大きく傾いています。倒壊する危険もあるため難しいといいます。

「残念ですけど、さらばです」

青柳智子さん
「言葉に表せない程、色々甘えさせて、かわいがっていただいたんで、何か1つでも 持ち出したいなと思っているんですけど。本当に残念ですけど、この家はさらばですね」

車庫から車が出せた

一方、こちらは余震や雨で土砂災害が発生するおそれがあるため、避難指示が出ている新潟市西区大野。

ボランティア
「はい、そのまままっすぐ」「あ、ちょっとこすってるけどまあ、もう出ましょう」
「あーよかった」

災害ボランティアセンターから派遣された自動車整備士など技能を持った人たちによって10日ぶりに車が取り出されました。

地盤が盛り上がる

家は車道側の地盤が70センチほど盛り上がり大きく傾いていました。

住人の姉
「避難所から出るのも移動手段がないとね、お風呂も行けないし、買い物も行けない」

元日の地震で、一瞬にして家の中はめちゃくちゃになったと言います。

住人
「ぐちゃぐちゃですね。めちゃくちゃ。荒らされた状態。そんな感じ。揺れて、母親を出すのに精いっぱいで。台車に乗せて避難所に。やっと車を出したところで、あとのことは一つも進んでませんね」

韓国料理店は休業状態に

その隣に建つ韓国料理店「コッテジ」です。駐車場が大きく盛り上がり、建物の下には大きな穴。店は休業状態に。店主の丁倉元さんです。店の中を見せてもらうと。

床に大きくヒビが

床には大きくひびが入り、壁には隙間が空いていました。

丁倉元さん
「この間測ってみたけど、ここから向こうに4センチくらいかな差があって」

水道管が破裂

さらに、水道管が破裂したため、水も使えません。常連客が沢山のペットボトルを届けてくれました。丁さんの携帯電話には「負けずに頑張ってください」など、再開を願う応援メッセージが届いていました。

丁倉元さん
「できることがあれば駆け付けます。連絡ください。とか。お水、店の前に置きました。とか」

移転を考える

店を開いて10年、学生やご近所、市外からも常連客が通う店でした。いまは移転を考えていると言います。

丁倉元さん
「いま、何をすればいいのか…10年間分の無給休暇だなという感じで。10年間、休みもなく働いていたから、それで慰めてるけど。不安ですわ」

玄関が閉まらない

西区寺尾朝日通の住宅では。

関谷富子さん
「閉まらないんですよ、閉まらないので、向こうからシート貼ってもうここ出入りができない」

建物全体が傾き、使えなくなってしまった玄関のドア。

床にいくつも穴

さらに家の中も床と壁の間には隙間ができフローリングにはいくつも穴が開いてしまったといいます。

判定は「危険」 工事のメド立たず

新潟市が行った応急危険度判定では「危険」の判定を受けました。

関谷富子さん
「もうショックですよ」

現在は、り災証明書発行のための詳しい調査を行っていますが工事の目途は立っていません。

関谷富子さん
「住めたらここに居たいですよ、私ここ一歩離れたら怖くて入れないかなと思って、頑張ってここにいますけど」

新潟市は応急危険度判定で「危険」とされた建物に立ち入る場合には専門家に相談し、応急措置をとるよう呼びかけています。


「夕方ワイド新潟一番」2024年1月10日~11日放送より