地震被害で家を手放す人も 液状化の被害が相次ぐ新潟市西区ではボランティアが再開 《新潟》
液状化による被害が相次いだ新潟市西区ではボランティアの活動が再開し、雪や雨が降る中、土砂の撤去作業が行われました。地震から1月10日で10日目。いまだ被害の全容が見えない中、自宅を手放す人も出ています。
道路脇に積みあげられた多くの土のう袋。
液状化による被害が相次いだ新潟市西区では雪の影響で中断していたボランティアの活動が10日に再開しました。
〈住民〉
「すごい助かります。人手が必要というのを実感したので自分たち家族2人夫婦だけでは難しいというのを実感したので」
「私ら1人でこんなにできないですもん。これだけ必要な本当にありがたい話です」
住民は復旧作業を続けていますが泥や砂で道路脇の排水溝が詰まり雨水がたまってしまう事態も…
雪や雨が降る中、ボランティアと一緒にかきだし作業に追われていました。
〈中越地震を経験 ボランティア〉
「20年前長岡市も中越地震で大きな災害被災しましたので少しでも恩返しができればと」
〈ボランティア〉
「西区で一人暮らしをしていて自分の住んでいる地域に少しでも力になれればと思って参加しました」
一方、9日は長岡市で最大震度5弱の地震があり、新潟市西区でも震度4を観測しました。
大きな揺れが続き、住民からは不安の声があがっています。
〈住民〉
「震度4でしたけどやっぱり揺れは感じましたし1日のことを思い出したので怖かったですけど何事もなかったのでまずはよかった。被害がまた広がらないことだけを願っています」
(リポート)
「西区の鳥原地区です。ここでも液状化の被害が相次ぎ、道路はいまだ土砂で埋め尽くしています。こちらでは家が傾き隣の屋根にあたっています」
鳥原地区では、液状化により住宅が傾いたり道路が陥没したりする被害が出ました。
元日の地震から10日目。
10日も被害の調査や修復作業が行われていました。
雪が降る中、片づけに追われる人の姿も…
〈青柳智子さん〉
「かなり角度がついて、泥水があがってしまって北向きに下がっちゃって傾斜が付いた」
青柳智子さんです。自宅の中を見せてもらうと…
〈青柳智子さん〉
「これ、ここ、そこからヒビが入っている。向こうの家から亀裂が続いて畑の方までつながって」
キッチンと和室の間には大きな隙間が…。液状化により家が傾き、分断された状態になっているといいます。
〈青柳智子さん〉
「北と東に両方傾いている。とても住める状況ではない」
鳥原地区に住み続けて約40年。我が家を手放すことを決めました。
10日は息子の貴士さんと自宅にある物の整理を行うことに…。
〈青柳智子さん〉
「かわいいね」
Q)これは一番上の?
「はい、お兄ちゃんが使ってた。懐かしいですよね」
思い出が詰まったランドセル…。
〈青柳智子さん〉
「全部撤去ですね、必要最小限のものしか」
Q)捨てに行かれる?
「そうですね、これから」
Q)自分が育った家がこういう風になるというのは?
〈二男 貴士さん〉
「ねえ…言葉一言ではなにも言えない、思い出たくさんつまっている、いいことも悪いことも、喜んだり泣いた時もたくさんあった。辛いですけどね、前向いて歩かないといけない」
2階には青柳さんにとって大切な物がありました。
Q)これは?
〈青柳智子さん〉
「私の婚礼タンスです」
Q)嫁入り道具?
「はい、嫁入り道具です。3点セットで」
亡くなった父から結婚の時にもらったタンス…。
これだけはなんとか持ち出したいといいますが、タンスがある部屋は液状化により大きく傾いています。
倒壊する危険もあるため難しいといいます。
〈青柳智子さん〉
「言葉に表せないほどいろいろ甘えさせてかわいがっていただいたんで、なにかひとつでも持ち出したいなと思っているんですけど。本当に残念ですけど、このうちはさらばですね」
新潟市西区を中心に大きな被害をもたらした地震…。
生活の再建へ…。被災者は前を向いています。