【特集】燕vs三条 隣り合う市は因縁のライバル関係 この春”綱引き”で決着!? 戦いの舞台は燕三条駅 《新潟》
モノづくりの街として知られる燕市と三条市。長年のライバルとも言われてきました。
隣り合う燕と三条の関係に決着をつけたい。この春、綱引きによる対決が行われました。
果たして勝利したのは……?
〈燕市チーム〉
「絶対三条には負けられないと思っています 頑張ります!」
〈三条市チーム〉
「燕市には負けないぞ!おー!」
闘志を燃やす参加者たち…その数およそ120人!
長年のライバルと言われてきた燕市と三条市の関係に決着をつけようと集まりました。
世界に誇る洋食器や鎚起銅器職人のまち・燕市か?伝統の鍛冶技術に加え商人のまちとして名をとどろかす三条市か?
勝敗を決める方法は綱引き!燕三条駅が戦いの舞台に選ばれました。
燕三条駅は構内が燕市と三条市の境になっていて出入り口も燕口と三条口に分かれています。市の境をセンターラインとして綱を引きあいます。
こちらは同じスイミングスクールで練習する高校生6人組。普段は仲良しの6人ですが……
〈燕市チーム〉
「燕は背脂ラーメンが有名で三条にはそれに並ぶラーメンがないなと思っているのでラーメンの点でも、俺らが勝っています」
〈三条市チーム〉
「僕たちは三条三条といったらカレーラーメンがありますからね。おいしいものとおいしいものを合体したら強い!負けてられない」
それぞれプライドがある両者。戦いの舞台となるJRの駅は「燕三条」ですが、高速道路のインターチェンジは「三条燕」。
どちらの名前を前に置くのかにも「綱引き」があったのでしょうか。
今から20年前にもある因縁が…全国的に平成の大合併が進む中、2003年10月に燕市は住民投票を実施。三条市を含む4市町村との合併の賛否を問いました。
その結果…合併賛成が49%に対して合併反対が51%とわずかに上回り燕市と三条市の合併は白紙となったのです。
第1戦の開始!夫婦で争う燕市の男性…。さらに燕市の高校生も裸足で挑み水泳で鍛えた肉体で綱を引っ張りますが…。1試合目は三条市の勝利です!
〈燕市チームの高校生〉
「強いっす。甘く見てました。次から頑張りたいと思います」
第2戦、三条市は滝沢市長も参戦です。
「燕頑張れ!」「三条頑張れ!」「市長負けんなよ!」
連敗は避けられない燕市が力を振り絞って……。勝利!
その後、三条市が3戦目を制し2対1に。あと1勝すれば決着の場面……。
燕市の高校生は…
「今、パワーもらったんで次は絶対勝ちます」
チームメイトから受け取った軍手をはめ勝負に挑みます。
〈燕市チームの高校生は〉
「ピンチになればピンチになるほど強い男なので頑張ります!」
一方、三条市チームには、夫婦で争っている妻の姿も。家庭内の力関係もかけ力を振り絞りますが足が滑ってしまいます。
燕市の勝利!4試合終了時点で2勝2敗と互角の勝負に……。
熱いバトルを繰り広げる両者。しかし、なぜ対立関係がささやかれるようになったのか?
その関わりは江戸時代まで遡ります。
〈燕市産業資料館 齋藤優介学芸員〉
「実はこの地域、地形を最大限に見渡して地形を最大限に生かすことで、世界に類をみない金属加工都市が400年間続く土壌が、実は周りの風景にあったということなんです」
燕市と三条市はかつて信濃川の氾濫が相次ぎ稲作が満足にできなかったことから金属加工業が広がったと言われています。
その後、燕市は洋食器などより実用的なモノ作りへ。三条市は刃物など鍛冶技術を磨くとともに信濃川を水路として活用し、商人のまちとして発展してきました。
〈燕市産業資料館 齋藤優介学芸員〉
「江戸時代の頃からお互いがなくてはならない関係なんです。どちらが欠けてもこの地域は成り立たなかった。燕も三条もいたからこそ、今のこの地域の技術力、燕三条の金属加工技術につながっています」
2対2で迎えた最終戦 長年のライバル関係に決着なるか
江戸時代から切磋琢磨してきた燕市と三条市…。2対2で迎えた決戦のとき…!
400年にわたる先人たちの思いをのせて…。
その軍配は?
「三条!三条!三条!」
1分以上にわたる激闘を制したのは三条市!!
〈三条市チームの高校生は〉
「5戦目接戦でしたが、三条の粘り強さが出て勝てたと思います」
〈燕市チームの高校生は〉
「燕、負けちゃったんですけど、この悔しさと屈辱を晴らすため、来年の綱引きでは絶対勝てるようトレーニングを毎日欠かさずやって三条を倒せるように頑張ります」
燕と三条に分かれバトルを繰り広げた夫婦は?
〈三条市チームの妻は〉
Q三条側、勝利しましたが…?
「そうですね、勝ちました!イエーイ」
〈燕市チームの夫は〉
「本当に悔しいですね。1年間トレーニングして来年も絶対に参加してリベンジしたいと思います」
〈燕三条綱引き大会 淵岡 優介実行委員長〉
「燕市と三条市が綱引き、綱でつながるそれが今後未来にもつながって燕三条がより県外、海外に発信できるそういう街に将来していきたい」
綱引きは三条市の勝利でひとまず決着しました。
燕三条駅には一年間燕の上に三条の名が刻まれた盾が掲げられます。
長年のライバル対決。一本の綱を通じて両者の結束はより深まったようです。