【原発】再稼動巡り エネ庁トップの村瀬長官は“再稼働の必要性”を強調 県議会“参考人招致”《新潟》
再稼働の議論が続く柏崎刈羽原発をめぐり県議会で政府の意見を聞く参考人招致が行われました。出席した資源エネルギー庁のトップ、村瀬佳史長官は再稼働の必要性を強調。質問に立った県議は大雪など複合災害時の対応を問いただしました。
3月14日、県庁に姿を見せた資源エネルギー庁の村瀬佳史長官。
Q)きょうどんな話をする予定ですか?
〈資源エネルギー庁 村瀬佳史長官〉
「エネルギー政策について国の考えそれから地元へどう向き合って いくかということについて丁寧に説明させていただきたい」
東京電力・柏崎刈羽原発。再稼働を進める政府は去年からことし2月にかけ原発立地地域以外の県内28の市町村でエネルギー政策について説明しました。新たなエネルギー基本計画では原発を「最大限活用する」としています。
県議会の「参考人招致」は村瀬長官の申し出を受けたもので内閣府、原子力規制庁も合わせ11人が出席。再稼働の必要性を強調しました。
〈資源エネルギー庁 村瀬佳史長官〉
「日本のエネルギーを巡る状況は大変厳しくその構造は脆弱であります。再生可能エネルギーや原子力などエネルギー安全保障に寄与し、 脱炭素効果の高い電源を最大限活用するという方針にしております」
政府の担当者は原子力災害時の屋内退避の検討状況や避難路の整備状況、緊急時の対応などについて説明。それに対し、自民党の県議は原子力災害と大雪が重なる複合災害時の対応を問いただしました。
〈自民党 高橋直揮県議〉
「仮に事故が起きた際に汚染された雪の排雪をしたその雪の処分場とかそういった部分にも広がると思うが誰がどのようにするのかという声もあります」
〈内閣府 福島健彦審議官〉
「緊急時には自衛隊等の必要組織や支援を行いますし、放射性物質が放射されている期間においては除雪作業を控えていただくなど 適切な処置をしたい」
議場からは……
「誰が雪下ろしやるんだ!」
「具体的な答弁になっていないじゃないか!」
「ダメだそれじゃ」
立地地域選出の県議からは再稼働を推進する姿勢に疑問を投げかける発言も…
〈未来にいがた 笠原晴彦県議〉
「(地元での)説明会で意見や質問を聞いて『やっぱり再稼働は無理だ』と少しも思わなかったのか?そう思う方は庁内にはいなかったのか?」
〈資源エネルギー庁 村瀬佳史長官〉
「いろいろな声を聞く中で、そうした声を同時達成させていかなければいけないという責任感を持って議論してきております」
また、テロ対策施設の完成の遅れが明らかになったにも関わらず再稼働への理解を求める政府を厳しく追及する声も上がりました。
〈資源エネルギー庁 村瀬佳史長官〉
「その設置の有無が直ちに安全性に影響を与えるものではないと承知している」
〈リベラル新潟 重川隆広県議〉
「直ちにとかそういう小手先の話ではなくて、特重施設(テロ対策施設)は必要だからいま作っているわけです。必要だから、それがないと稼働をやめなければいけない、 そういう施設なわけです。私はすぐに、理解要請の中止・中断を決断すべきと考えます」
およそ4時間に及んだ議会。しかし、県議からは説明の物足りなさを指摘する声も上がりました。
〈自民党 岩村良一県議〉
「進んだ部分と、進んでいなかった部分が明確化されたと感じた。わかりやすさに欠けたということはある」
〈未来にいがた 大渕健県議〉
「国も立場上のことはあると思うがかみ合っていない議論が交わされた」
〈資源エネルギー庁 村瀬佳史長官〉
「前進かどうかを私から言うべきものではないと思います。とにかく少しでもみなさまの理解が深まるように丁寧に一歩ずつ一歩ずつ進めていきたいと考えています」
再稼働の必要性を強調し地元の理解を求めた政府。再稼働をめぐる議論に今後どう影響するのでしょうか。