“不倫を続けるため” 妻子殺害の元看護師の男に無期懲役の判決 法廷での様子は そのとき裁判員は 記者が解説《新潟》
3年前、妻と当時1歳の娘を殺害した罪などに問われている元看護師の男に対し22日、無期懲役の判決が言い渡されました。
不倫を続けるため殺害したという動機について、新潟地裁の裁判長は「酌むべき点は皆無」と断罪しました。
今回の裁判を振り返っていきます。裁判の取材にあたってきた長谷川記者に聞きます。
(斎藤キャスター)
これまで長谷川さんは裁判の傍聴を続けてきましたが、被告人はどんな様子でしたか。
(長谷川記者)
はい。私は渡辺被告に対して非常に弱々しい印象を受けました。
最終陳述では声を詰まらせながら「妻と娘が私に向けてくれた思いに応えられなかった」「この先もずっと妻と娘に対して謝り続けたい」など謝罪の言葉を述べました。
(斎藤キャスター)
裁判ではこれまで遺族の方も傍聴されていましたね。
(長谷川記者)
はい。被告人質問では2人が殺害された状況について被告が供述した際、遺族の方は涙をぬぐいながらその言葉に耳を傾ける姿が印象的でした。
(大谷キャスター)
そして11月22日、渡辺被告には無期懲役が言い渡されました。そのとき渡辺被告はどんな様子でしたか。
(長谷川記者)
直立不動で裁判長の方をまっすぐ見つめていました。裁判長から「2人の尊い命は一生をかけ償ってほしい。本来であらば守るべき命を奪ったことを忘れず自分の罪と向き合って償いをしてほしい」と語りかけられると渡辺被告は「はい」と小さな声で返事をしました。
(斎藤キャスター)
そして、今回の裁判では一般の国民から選ばれる裁判員6人も参加しました。
(長谷川記者)
判決を終え、今回裁判に参加した男性が取材に応じました。
【裁判員】
「裁判の途中で実際に殺してしまうような証言を被告人から聞くわけだがその時の話を聞くとどうしても涙が出たりとか非常に心理的にきつかったという時もありました」
(大谷キャスター)
裁判を取材して長谷川さんが印象に残ったことなどはありますか?
(長谷川記者)
はい。今回殺害された渡辺被告の妻は生前毎日、娘の育児記録を付け、娘の成長を願い、ひたむきに育児に奔走していたといいます。当時29歳という若さで娘の成長などこの先の人生に希望や夢に満ちていたと思います。そうした中、夫によって殺害された無念さは言葉にできません。
以上、長谷川記者の解説でした。