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【能登半島地震】 河川カメラがとらえた津波 新潟・上越市内の川を5キロ遡上 海岸到達時の推定高さ2メ-トル《新潟》

2024年1月13日 10:35
【能登半島地震】 河川カメラがとらえた津波 新潟・上越市内の川を5キロ遡上 海岸到達時の推定高さ2メ-トル《新潟》
津波
能登半島地震では、新潟県内にも津波が押し寄せました。国土交通省高田河川国道事務所の調べで、津波は上越市を流れる関川を約5キロ遡上していたことがわかりました。また、上越市の海岸などを調査した長岡技術科学大学の犬飼直之准教授によりますと、津波が直江津地域の海岸に到達した際、その高さは約2メートルと推定されるということです。

関川と保倉川の合流点を遡上する津波

映像は国土交通省・高田河川国道事務所の河川カメラがとらえた川を遡上する津波です。地震発生の約26分後、河口から約600メートルのところにある関川と保倉川の合流地点で津波が2つの川を遡上しています。堤防に衝突しながら進んでいく様子が分かります。

関川河口から5キロ遡上した津波

また関川の河口でも午後4時35分頃、津波が波消しブロックに衝突しながら遡上する様子が映っています。高田国道河川事務所ではこれらの映像や、現地でゴミの付着の仕方や草木の倒れ方などを調べる痕跡調査を行いました。

その結果、関川では河口から約5キロの上越市内の春日山橋付近までを遡上していたことがわかりました。関川に合流している保倉川にも津波は遡上して進み、合流点から約1.6キロの佐内橋付近まで達していたことがわかりました。

犬飼准教授が海岸を調査

一方、長岡技術科学大学の犬飼直之准教授は、直江津地域などの海岸で津波の痕跡を調査しました。

津波の高さ、推定2メートル

その結果、関川左岸の河口付近にある上越市の船見公園で、海岸線から100メートル奥まで遡上、標高6.6メートルまで津波が到達したことがわかりました。直江津地域の海岸に到達した際、津波の高さは約2メートルと推定されるということです。今回、気象庁の観測では、津波の高さは最大で柏崎市鯨波で0.4メートルなどとなっています。

川の堤防を越える 住宅の浸水被害15件

関川河口から遡上した津波。こちらの視聴者提供画像では、津波が勢いよく堤防をこえる様子がわかります。国土交通省・高田河川国道事務所は、関川右岸の河口から400メートル付近の上越市港町で津波が堤防を越えたことを確認し、護岸が損傷していたことから応急工事を行いました。

犬飼准教授の調査では、上越市港町で津波が高さ4、5メートルの堤防を越え45メートル先まで浸水したこともわかりました。10日までの上越市の調べで、床上浸水1件、床下浸水14件の被害が報告されています。

海水浴場も被害

また犬飼准教授の調査では、直江津海水浴場では海岸から100メートル奥まで浸水したことがわかりました。海水浴場では、木造の海の家が破壊されましたが、コンクリート製のトイレなどは破壊されなかったということです。

犬飼准教授は、「津波は水深が浅い方へ曲がっていくが、直江津付近は海底の水深が浅く、津波が集中した可能性がある」と分析しています。