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【能登半島地震】活断層の“割れ残り”が佐渡沖に存在か…離島の避難 課題とは《新潟》

2024年2月4日 16:03
【能登半島地震】活断層の“割れ残り”が佐渡沖に存在か…離島の避難 課題とは《新潟》
能登半島地震の課題と教訓を証言をもとに振り返ります。
今回は「離島の避難」についてです。専門家は佐渡の付近には今回の地震では動いていない活断層の“割れ残り”があると指摘しています。

再び大きな地震に見舞われたら・・・。
住民たちは支援物資の輸送など離島ならではの問題に不安を募らせています。

佐渡にも津波が

石川県で最大震度7を観測した元日の地震。能登半島には各地に津波が押し寄せました。
震源地から約100キロ離れた佐渡でも津波警報が発令。

住民
「また引いとるな」「間違いない」

佐渡市で約20分後に第一波を観測

海では引き波が。揺れから約20分後、島の最北端に位置する鷲崎では第一波の津波を観測しました。しかし、震源地に近い場所ではもっと早く津波が到達していたといいます。

「比較的早く到達した」

長岡技術科学大学の犬飼直之准教授です。

犬飼直之 准教授
「先端部には2,3分で到達していますね、第一波が。佐渡の方にはあまり大きな津波は行っていなかったと思うんですが、とはいえ比較的早く到達していたと考えています」

佐渡市の小木地区の住民たちは、地震の後、川をさかのぼる津波を目撃していました。

住民
「割りと早かった。津波ってこんなに速いんだなと」

「強い揺れを感じたら直ちに避難行動の開始」

犬飼准教授によりますと、津波は水深の深いところで時速350キロメートルほどの速さで迫ってくるといいます。

犬飼直之 准教授
「日本海沿岸域の地震の発生域は他の領域に比べて比較的陸地に近く、津波が発生した場合、陸地に早い時間で到達しやすい。津波に関する情報をみて避難行動をしたのでは2分ロスし遅いと考えられます。強い揺れを感じたら直ちに避難を開始する行動をしていただきたい」

佐渡沖に活断層の“割れ残り”が存在か

さらに・・・。今後について懸念を示す専門家も。東京大学地震研究所の佐竹健治教授です。

東京大学地震研究所 佐竹健治教授
「能登半島の沖の断層は傾斜が南側に向かって陸の方に向かって傾いているんですね。ですから能登半島の真下で地震が起きて大きな揺れが伴ったということなんですが、佐渡の方につながる断層は動いていないということが分かりました」

こちらは能登半島地震によって活断層がどれだけ動いたか表した図です。
能登半島の北東側にある活断層は最大で4メートル以上動いている一方で、佐渡に近いこちらの活断層はほとんど動いません。佐竹教授はこれが活断層の“割れ残り”なのではないかと指摘します。

東京大学地震研究所 佐竹健治教授
「先日1月9日にあったマグニチュード6.1という地震もその辺で起きています。ですから地震活動は起きているので、今後そこで大きな地震が発生する危険性がある」

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