【能登半島地震】「本当に来るんだ」津波がわずかな時間で到達 その時、住民がとった行動は 上越市を襲った津波 速度は新幹線より速い 《新潟》

地震がもたらした課題と教訓について住民の証言をもとに振り返ります。
今回は「津波からの避難」についてです。
上越市の海岸沿いの地区では10分ほどで津波に襲われました。
どのように避難したのか地域の住民がアンケート調査を行うと課題が浮かび上がってきました。
沿岸部のまちに押しよせた津波
勢いよく川を遡上する津波。
地震からわずか20分後、防波堤を越え沿岸部のまちを襲いました。
「津波きてるぞー!上あがれ!」
上越市港町。海抜は2メートルから3メートル。
津波は堤防を越え住宅地に押し寄せてきました。
海水浴場にはがれきが散乱、浜辺の土産物店には押し流されてきた大型の厨房機器も・・・。
県内の観測地点のうち、柏崎市鯨波で40センチ、新潟市と佐渡市鷲崎で30センチの津波を観測しました。
現地調査を行ったのは、長岡技術科学大学の犬飼直之准教授です。
上越市など観測地点が無かった地域では「2メートル」ほどの津波が押し寄せていたと分析します。
【長岡技術科学大学 犬飼直之准教授】
「直江津あたりが突出して津波の痕跡高が高くなっている。到達した津波の高さは2メートルくらいはあったんじゃないかと考えています」
さらに、気象庁は津波が陸をはい上がり、到達した高さが上越市で5.8メートルだったと明らかにしました。
そして、今回の津波。
特徴のひとつが地震発生から到達するまでの「速度」です。
視聴者から提供されたこの映像が撮影されたのは午後4時34分。
津波警報が発表された22分後でした。
<住民は>
「津波警報でた後10分後くらいに津波が押し寄せて家でウロウロしていたら玄関まで波が入ってきたんですよね。逃げたかったけどまごまごしていたら津波が来ちゃったからとりあえず2階へ・・・逃げる余裕なかったもの」
<住民>
「外に出ようとしたら玄関の鉢とか花瓶がだだっと倒れた…下駄箱の上の物が全部落ちて。下が水浸しになった。それだけ片づけてって言ったら(夫が)“おーい死んじまうじゃねぇか” って。それで外に出たんです。振り向いたら津波1分もしないうちに車に行ってエンジンかけてバックしたら津波が車にずっと来ちゃって」