南海トラフ地震臨時情報から1か月 専門家「大規模な地震の可能性は残っている」と指摘
8月、宮崎県で最大震度6弱を観測する地震が発生し南海トラフ地震臨時情報が出されてまもなく1か月です。
この間の地震活動や今後大規模な地震が起きる可能性などを専門家に聞きました。
8月8日、宮崎県で最大震度6弱、県内で最大震度4を観測した地震。
初となる南海トラフ地震臨時情報巨大地震注意も出されました。
大分地方気象台によりますと、8月8日の地震以降、県内では5日までに震度1以上の地震は5回観測。
このうち3回は地震当日と翌日に観測されていて、地震の回数は徐々に減っているということです。
南海トラフ地震臨時情報も発表された地震からおよそ1か月、
街の人は…
◆40代の女性
「家族で改めて地震があった時の避難場所などの話し合いとか、そういうのは改めてした。(意識は)変わった方だと思う」
◆20代の男性
「南海トラフ地震が来ると言われている中で、ああいう感じで起こっちゃうと怖い」
◆80代の男性
「(地震は)怖いのは怖いんだけど、だからといって、どうしたらいいか分からない」
日向灘の地震活動を研究している京都大学の山下裕亮助教は、地震の数は減っているが大規模な地震の可能性は残っていると指摘します。
◆京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教
「今回1か月というフェーズになるが決して1か月が経ったから地震発生の可能性が0になった。残念ながらそういうことではない。2か月、3か月経ったから0になるってことはまずあり得ないと考えてもらえれば良い」
こちらは宮崎県沖の地図です。
山下助教は8月8日の地震では隣接する震源域でプレートの一部がずれずに残った「割れ残り」の箇所がある可能性が高いと指摘しています。
8月の地震や、この「割れ残り」が今後、南海トラフ地震を引き起こす可能性については次のように話しています。
◆京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教
「あくまでも南海トラフ地震に影響が出るかどうかは、南海トラフのひずみを溜めているところ、四国の沖合だとか紀伊半島だとか」
「ああいうところにどれだけ近いか、あと規模(マグニチュード)そこのバランス」
「例えば今回、日向灘でM8の地震が起こっていたら、それは影響は出ると思う」
「だがM7の地震、しかも結構(震源が)離れている。(先月の)地震は(南海トラフ地震に)大した影響は無いという風に見てもらって構わない」
しかし、「割れ残り」が影響して日向灘単独で大きな地震が起きる可能性は引き続きあるとしています。
◆京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教
「今後、1か月2か月3か月、1年2年3年経ってどんどん年が経っていくと(割れ残りに)ずっと“ひずみ”が溜まっていく。ひずみが溜まっていけば溜まっていくほど、 地震の発生の可能性が高くなる地震については継続して警戒していかなければならない」
南海トラフ地震臨時情報から1か月。地震活動は減ってきていますが引き続き警戒は必要です。