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70年前の災害復旧で活躍!トロッコ列車がミニチュア模型で復活 災害の教訓を後世に

2024年8月28日 14:17
70年前の災害復旧で活躍!トロッコ列車がミニチュア模型で復活 災害の教訓を後世に

およそ70年前鉄道がない長野市の山間部で、災害復旧に活躍したトロッコ列車がありました。

その列車はいまも地元で大切に保管され災害の教訓を後世に伝えてきましたが、今回、ミニチュア模型に形を変えて蘇りました。

色褪せた車体が歴史を感じさせる、トロッコ列車。

長野市の西部、信州新町、ここで、昭和28年から4年間、犀川の堤防工事で活躍したトロッコ列車です。

いまも、当時、工事を行った建設会社で大切に保存されています。

小池組 小池毅夫社長
「ここの犀川が洪水になるとこの川の水かさが増してずっと水が流れこっちに人がすんでいる集落の方を襲うような洪水がたびたびありまして」

当時、信州新町では毎年のように犀川の水があふれ大きな被害が繰り返されたといいます。

災害から町を守るための堤防工事で、トロッコ列車が活躍。大雨で流れてきた土砂を運び、その土で堤防が築かれたそうです。

小池組 小池毅夫社長
「現場の限られたところだけに線路をはって、そこを行き来往来して材料、資材を運んだときいています」

活躍から70年…。そのトロッコ列車が…、全長3.7センチ、実物の87分の1のサイズに形をかえて現代に蘇りました。手掛けたのは上田市でホビー製品の企画販売を行う会社です。

トロッコ列車を通じて過去の自然災害を伝えていこうとミニチュア化を企画しました。模型を制作した上條良樹さんはもともと鉄道ファン。高校時代はこの地域の学校に通っていました。

上條良樹さん
「何か長野県内のものでなにかこう歴史的なもののネタがないかということでここを思い出しまして」

トロッコ列車が作られたのは昭和28年(1953年)。現存するのはこの一台だけだといいます。

上條良樹さん
「今だとダンプカーが使われているんですけどダンプカーではなくそれ以前に使われてた工事用のトロッコ や車両というのは残っていることはほとんどない」

3Dプリント技術を使って商品化に漕ぎつけました。1つ7000円で主にインターネットで販売されています。

上條さん
「災害がかつてあったことですとか、そういう貴重なもの(トロッコ列車)が置いてあるんですよ。ということをより多くの人に。色んな人に知っていただけたらと思います」

思いが詰まったミニチュア模型。町を守るために活躍したトロッコ列車を通じて過去の災害が受け継がれています。