×

本場スペインの観客も驚き 盛岡市出身のフラメンコ舞踏家が公演「これがわたしのフラメンコ」

2024年1月31日 19:11
本場スペインの観客も驚き 盛岡市出身のフラメンコ舞踏家が公演「これがわたしのフラメンコ」

 盛岡市出身のフラメンコ舞踏家が去年、本場スペインで公演を行いました。その内容に、現地の人々はとても驚いたそうです。一体どんな踊りだったのでしょう。

 去年11月、フラメンコの本場、スペインにある劇場に三味線や民謡の歌声が響いていました。
フラメンコを踊っているのは、盛岡市出身で、バルセロナ在住の舞踏家中田佳代子さんです。

中田佳代子さん
「ちょうど高校卒業をして歯科衛生士の学校に行ってたあたりだったと思うんですけど、バルセロナオリンピックがあって、それをテレビで見たんですね。その開会式で、やっぱりフラメンコが出たんですよで、そのフラメンコを見た時に何だろうこれはと思って、もうその時点で、すごくこう心を鷲掴みにされて、この踊りをやってみたいなと思って、それでそのままスペインに行ってみようと自分で行ったわけですよ。その初めての海外旅行でフラメンコに出会ってみて始めようと思って始めたんです」

 中田さんは、日本とスペインを往復しながらフラメンコ舞踏家として研鑽を重ね、2007年、盛岡市内にフラメンコ教室を開講、その翌年には、スペインの中でもフラメンコがより盛んなカディスの権威あるコンクールで当時、日本人女性過去最高の2位に入りました。

中田佳代子さん
「日本にいる時には気づかなかったことをやっぱりスペインに来て気づいて、フラメンコを我が物顔で踊ってていたんです。もうこれが私のフラメンコをみたいな感じで踊ってたんですけど、何かある時、やっぱりスペインに来て全てが難しいんですよ、何であなたそんなに日本人でフラメンコなんかやってんのみたいにちょっと変わった目で見られる。そこでだから、自分のオリジナル性を持って、それを踊りの表現として作品を作ればいいなと思って、それを出せばみんな何も文句言わないんじゃないかなと思って」

 日本人としてフラメンコをどう表現するか、中田さんは一つの答えにたどり着きました。

中田佳代子さん
「自分のでも言葉って何だろうって思った時に、そういうやっぱり自分の中の地はもう岩手じゃないですか。だからそういう何か岩手のものと私が凄く大好きになって一生を掛けて学び続けてるライフワークのフラメンコっていうものを自分の中で自分の体を通してこうミックスした時にどういうものが出るのかな、どういう作品が出るのかなというものがエルマンダっていう融合っていう作品だったわけです。そこからどんどんこう花開いて。て東北になったんですけど」

 新型コロナウイルスの流行で、世界中の往来が難しくなった中、2020年の暮れに中田さんはふるさと岩手に戻り、翌年、お寺の本堂で、和楽器の演奏によるフラメンコを発表しました。

中田佳代子さん
「閉鎖されてもう動けなかったりとかした中で、岩手のこの人達だけで絶対何かできるはずだと思って。だからフラメンコっていうものを外して、そのアーティストの人達と絶対何かができるなと思って、それで声を掛けてあのー作ったんですね」

 自身のルーツである東北の魂とフラメンコの融合を表現した舞台『東北″(とうほぐ)』を国内3か所で開催し、去年11月にはついにフラメンコの本場スペインでの公演が実現しました。

 場所はスペイン南部カディスとグラナダにある会員制の劇場。目の肥えた観客の前で日本人によるフラメンコが披露されました。

中田佳代子さん
「もしかしたらすごい批判される覚悟もあったけれども、国籍は違えども芸術の真実をやってる人達だから絶対に通じ合えるはずだと思って、岩手の岩手で活躍してる岩手の人達と一緒に私が行ってやることに意味があるなと思って、スペイン人の人達にフラメンコの要するに本場のスペインで絶対に見せたいと思って、それはだから最初から視野に入れて作品作りはしてました。フラメンコの真似して、それでフラメンコをスペイン人みたいに踊るんじゃなくて、自分のオリジナリティーを持って踊ってでもどっちなのどっちなのどっちなのでも、これが私みたいなんなそういうコンセプトだったんですね。反応は本当に正直良かったですね。スタンディングオベーションで拍手ももらって、あの作品が良かったとか技術があったとか、そういうのを抜きにして、やっぱりみんなに芸術に国境はないんだよってことは多分伝えられたんじゃないかなとは思いました。私の中ですごく引っかかっているやりたいなって思っているのが特別あって、それはニューヨークなんですけど、その芸だけ見てくれるエンターテイナーの本場で、中田佳代子っていう日本人が何かフラメンコをやってて色々自分のルーツとを混ぜた作品を作ってやったっていう公平な場所でやった時に、しかもそういう芸術のエンターテイナーの本場でやった時にどういう評価をもらえるのかっていうのが、すごく自分の中では興味があるので、私はまあニューヨークでやれたらすごいいいなって思ってます」

 東北人の魂をフラメンコ舞踏家として表現し続ける中田佳代子さんの挑戦はこれからも続きます。