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【27日投開票】衆院選・参院補選 選挙戦終盤の情勢は 岩手

2024年10月25日 18:39
【27日投開票】衆院選・参院補選 選挙戦終盤の情勢は 岩手

 衆議院選挙と参議院岩手選挙区の補欠選挙の投開票が27日に迫りました。終盤の情勢を選挙担当の記者とお伝えします。NNNと読売新聞社が共同で行った世論調査をもとに、終盤の情勢をまとめました。

 調査は、無作為に選んだ県内の有権者を対象に、参議院岩手選挙区の補欠選挙は電話。衆議院選挙は電話とインターネットによる形で行いました。

 はじめに、元職と新人あわせて5人が立候補している参議院岩手選挙区の補欠選挙です。655人から回答を得ました。
 立憲民主党、共産党、社民党の支持層のおよそ9割を固めた立憲民主党の元職・木戸口英司候補がリードし、田中亜弓候補、吉田利也候補、松島弘典候補、小田々豊候補は支持拡大を目指しています。

 続いて衆議院選挙です。まずは3人が立候補している盛岡市、矢巾町、紫波町の『岩手1区』です。810人から回答を得ました。
 立憲民主党の前職、階猛候補がリードし、自民党の新人、米内紘正候補が追っています。共産党の新人、吉田恭子候補は票のさらなる上積みを狙います
 階候補は、立憲民主党の支持層の9割以上を固めていて、無党派層の支持は5割を超えています。
 米内候補は、自民党の支持層のおよそ7割を固めていますが、無党派層への浸透が課題です。
 吉田候補は共産党の支持層のおよそ7割を固めていますが、その他の支持層への広がりが課題です。

 続いて、沿岸の全域と内陸の北部がエリアで、2人が立候補している『岩手2区』です。632人から回答を得ました。
 自民党の前職、鈴木俊一候補を立憲民主党の新人、中村起子候補が激しく追っています。
 鈴木候補は、自民党の支持層から9割を超える支持を集めたほか、公明党の支持層から7割を超える支持を集めています。
 中村候補は、立憲民主党の支持層の8割以上を固め、共産党、社民党の支持層から7割を超える支持を集めています。

 最後は2人が立候補している県南部がエリアの『岩手3区』です。795人から回答を得ました。立憲民主党の前職、小沢一郎候補がリードし、自民党の前職、藤原崇候補が追っています。
 小沢候補は、立憲民主党の支持層の9割以上を固めたほか、共産党、社民党の支持層からも広く支持を集めています。
 藤原候補は、自民党の支持層のおよそ7割、公明党の支持層の8割を固めていますが、無党派層への支持の拡大が課題です。

 選挙戦は終盤を迎えましたが、注目の選挙区はやはり『岩手3区』です。
藤原候補と小沢候補、それぞれの選挙戦を詳しく見ていきます。

 藤原候補は、およそ40の後援会の支部を軸に、豊富な運動量で朝の辻立ちのほか、細めに街頭演説と個人演説会を行っています。これは小選挙区で初勝利した前回と同じ戦い方です。陣営の関係者によると、街頭演説の数は、1日あたりの平均が40か所、24日はおよそ50か所にのぼったそうです。

 対する小沢候補は、党の総合選対本部の本部長代行を務めています。全国の候補者の応援のため、地元入りできる日が限られますが、横沢高徳参議院議員や県連所属の県議会議員などがサポートしています。このほか、中盤は、小沢候補を「政治の師」と仰ぐ達増知事もかけつけ、支持を呼びかけました。複数の関係者は、達増知事による応援演説について、「初めてではないか」と話していました。

 そして、協力体制です。藤原候補は友党の公明党から推薦を受けています。決起集会にも公明党に所属する地元の議員が駆け付けるなど、連動して支持を訴えています。
 小沢候補は、達増知事の後援会を介して政策協定を結んでいる共産党の県委員会が支援。社民党県連合も「自主的支援」を決め、前回と同じ共闘体制を整えました。

 激しい戦いになっていますが、藤原候補は、派閥の政治資金パーティーを巡る裏金の問題などを受け、今回は逆風の中での選挙戦となっています。

藤原候補は、政治資金収支報告書の不記載があったため、比例代表での重複立候補が認められませんでした。『背水の陣』ということです。藤原候補の陣営幹部は、「厳しい反応が多い。後援会組織による声がけなど地をはう活動を徹底するしかない」と話していました

 選挙戦は26日、最終日を迎えます。両候補は最後に何を訴えるのか、5度目の対決の行方に注目が集まります。