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挑戦②建築模型職人が地域情報アプリ開発 雫石の魅力発信

2024年12月12日 18:57
挑戦②建築模型職人が地域情報アプリ開発 雫石の魅力発信

 今月のシリーズ「挑戦」です。雫石町で建築の模型を手掛ける男性が地元の情報を発信するアプリを開発しました。コミュニティの輪を広げようとしています。

阿部さん「模型も一緒ですけど、自分を表現できるんですよ」

 雫石町の自宅の一室が活動場所です。黙々と作業をしている阿部貴日呼さん。20年ほど作り続けているという、住宅建築模型の職人です。

 仙台市の専門学校と、東京理科大学の工学部で学んだ阿部さん。卒業後は関東の建築事務所などで研さんを積み、独立しました。

阿部さん
「とにかくリアルに、生活を想像してもらうものなので、パッと見た瞬間どういう お家に住むのかな、自分が玄関から入った時にどう動いてというのが見た瞬間わかるように。そういう模型ですね」

 2年前、横浜から単身赴任で岩手へ。両親の住む雫石町で暮らしています。
阿部さんは、ただ建築模型を作っている訳ではありません。

阿部さん「わっ、珍しい2人いる。こんにちは。」

 模型づくりの工程を、ライブ配信しています。

阿部さん
「自分の技術をこのまま葬り去るよりは、人に残して人が自分で作れればいいなっていう所から、気付いたらライブ配信やってたような感じですね。健康上の問題とか年齢的な問題とかもあるんで、模型だけでやっていくのって結構厳しくなると思うんですよ。たまたま模型に変わる、あるいは模型と平行してやれるものを見つけたんで」

 この日のお昼は町内のレストランへ。

江崎さん妻「何にしますか? カレー?」
阿部さん「カレーの、お子ちゃま風で」

 勝手知ったるなじみのお店です。

江崎さん夫「カレーができました。いつものカレーですね。甘口です」

 有機野菜と塩こうじを使った鶏とキノコの カレーです。食べる前に、カレーの写真をパチリ。阿部さんは、自身でアプリも制作しており、それに投稿するための撮影をしていました。アプリ名は、「しずったー」。

阿部さん
「"しずったー"っていうのは雫石町民が雫石ネタを、投稿する地域の密着型情報アプリです。作ってまだ1年ですけど、結構ボタン変わってるんですよ。自由に変えられる、その場で変えられる、それぐらいの自由度があります。模型と同じで」

 お昼の後は「雫石駅」へ。2階にある漬物工房を訪ねました。もうひとつの情報発信をするためです。

阿部さん「え~とじゃ"しずったーラジオ"、始めたいんですけれど」

 阿部さんがインタビューをして、地域の話題を発信します。

渡辺さん
「ちょっとずつ自社商品を販売させてもらってて、こんな感じ。"オゴゴ"。新しくできたんですよ。辛口がね、女性受けする」
阿部さん「へぇ~ そうなんだ」

 阿部さんの活動に町民も期待を寄せています。

渡辺さん
「今は雫石なのかもしれないけども、岩手県だったり外、もしかしたら世界にっていう所まで まとめて発信できるような、つなぐようなそんな取り組みになってほしいなって思います」

阿部さんの活動は他にも。打ち合わせで訪れたのは、雫石町にある「らら倶楽部」。来年から変更するというデジタル会員証の依頼を受け、作成しています。

長谷川さん
「いろんなサイトを私も見るじゃないですか。こういうのあったらいいなっていうのがどうしても出てきちゃって。でもすぐ対応してくださるので。それがいいなと思って。うまく繋がれば いいんですけど」

阿部さん「そうですよね」

 新たな取り組みも始まっていました。アプリ開発はできるものの、プログラミングには疎いという阿部さん。今年の夏、盛岡市で開催されたプログラミング合宿で出会った八幡平市の塚田さんと、様々なアプリを開発しています。

塚田さん
「なんかもう今は、大手じゃなくても、自分が感じている不便なこととかを、個人レベルでも解決できるようになりますから、チャンスはすごく、そういう意味ではあるんじゃないかなと思ってます」

 阿部さんの目指す"未来"とは。

阿部さん
「僕の中では、"町民DX"っていう、気軽に自然にITを使って町民を潤す仕組みを"しずったー"の中に作っていこうっていうのがあるんです。人が苦手な人でも、使えるアプリが作れればなと思っています」

 現在、「しずったー」の会員登録者数は70人ほど。アプリでコミュニティの輪を広げる。阿部さんの挑戦は続きます。

最終更新日:2024年12月12日 18:57