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【行政に頼らない防災を】地域の防災士同士の連携を深める防災士会設立 岩手県宮古市

2024年4月2日 18:49
【行政に頼らない防災を】地域の防災士同士の連携を深める防災士会設立 岩手県宮古市

 自分たちが住む地域の防災力を高めようと、岩手県宮古市の男性が新たな組織を立ち上げました。
 
 その組織とは…。

 3月10日、宮古市で「崎山地区防災士会」の設立総会が開かれました。

 会に参加する防災士や地区の自治会長などおよそ50人が立ち合いました。

 崎山地区は海岸からの急な傾斜地に点在する住宅も多く、東日本大震災では関連死も含め22人が亡くなっています。
また、たびたび土砂災害が発生するなど、災害に対して弱い面が見られる地域です。
このため地域の防災力を高めようと、崎山地区防災士会が設立されました。

 防災士はNPO法人「日本防災士機構」が認める資格で、防災意識の普及や、災害時の被災者支援など、防災に関する知識や技能を身に着ける事で取得出来ます。

 現在宮古市では536人が登録されていて、崎山地区にいるのはおよそ30人。活動は基本的に個人レベルでしたが、防災士同士の連携を強めるため、会の設立に至りました

 呼び掛けたのは崎山地区の防災士、佐々木重光さん。
岩手県岩泉町で消防署の署長や危機管理監を務めてきた佐々木さんは退職したあとも、地元崎山地区で防災士として地域のために尽力してきました。

 佐々木さん
「これはですね、3D地図と言いまして、特殊な青と赤のメガネで見ますと、立体的に浮き上がってくる地図です」

 お披露目されたこの地図は、崎山地区を立体的に見る事が出来る3D地図です。

 赤と青のメガネで見る事で、土地の高いところや低いところが感覚的に分かるようになっています。

 見た人
「これ、やっぱりこういう山と山の間、ここね、津波来るっていうのがイメージ出来ますよね」

 カメラでは地図を立体的に見る事が出来ないので、地図を製作した盛岡市の企業に説明してもらいました。

 企業の担当者
「メガネをかけるとこのように見えてきます」

 3Dメガネをかけるとこのようなイメージで、土地の高低差が感覚的に分かるような地図になっています。

 こちらの企業は佐々木さんの防災に対する意気込みに賛同し、今回無償で地図を制作。崎山地区に寄贈しました。

 タックエンジニアリング松坂裕之 社長
「佐々木さんの会を通じて、我々の立体地図を活用してもらう事で、地域の皆さんが自助、自分たちで自分の命を守るという行動をとっていただくことにつながれば…」

 佐々木さんはこれからは一人一人の防災意識を高め、地域住民で災害対応が出来る体制作りが大事だと話します。

 佐々木重光さん
「なんでも行政だのみじゃなくて、地域がまとまって全体で防災対応出来るこれが最終的には理想の形になっていくんではないかなと思います」

 佐々木さんは今後、定期的に防災士会の集会を開くなどして地域の団結力を深めていくほか、3D地図を使って小学校などで出前授業を行い、防災の大切さを伝えていくという事です。