【開通5周年】「みちのく潮風トレイル」 ハイカーおもてなし 岩手県宮古市の取り組み
東日本大震災からの復興の一環として整備された「みちのく潮風トレイル」がことし開通5周年を迎えます。
この中、ハイカーたちの「おもてなし」に力を入れているのが岩手県宮古市です。
その熱意と地元ならではの絶景スポットを紹介します。
青森県八戸市から福島県相馬市まで、およそ1000キロの自然散策ルート「みちのく潮風トレイル」。東北の太平洋沿岸ならではのダイナミックで美しい自然景観を楽しめます。
トレイルガイド 志賀鉄太郎さん
「海から始まって、森の中を歩いて、川の脇を歩いて、山を登って、青空を堪能する、これってなかなか一ヶ所で一気に楽しめるのってないのかなと思うので、そこは宮古市のトレイルタウンみやこっていうので推してもいい場所と思ってます」
トレイルルート1000キロのうち、およそ100キロを占める宮古市。
その宮古市で掲げているのが「トレイルタウンみやこ」という取り組みです。
「ハイカーが集う街づくり」をテーマに、行政機関や浄土ヶ浜ビジターセンター、そして市民が一丸となって様々なPRに務めています。
モデルコースの紹介や装備のアドバイスなどを盛り込んだオリジナルのリーフレットも作りました。
「これがアクリルスタンドです。よろしくお願いします。」
トレイルガイドをしている志賀さんは、個人でもオリジナルグッズを製作しています。
これは4月1日発売開始の新商品。こんな風に使うんだそう。
「トレイル歩く時に持って行って、風景と重ねてスマホでこうカシャっと撮ってバックに例えば宮古湾が見えるよ、浄土ヶ浜が見えるよというような○○で使ってもらえるのがいいなと思って作りました。」
ハイカーたちを自主的におもてなしする協力店のことを「トレイルオアシス」と言います。
宮古市内のおよそ50店舗が参加。志賀さんの店もそのひとつです。
「トレイルオアシスというのは、そこのお店お店が自分たちが無理のない程度の尋ねてきてくれたハイカーをおもてなしをするというそういうものですね」
志賀スポーツでは、給水や充電、物販、ルート情報の提供などをサポートしてくれるそうです。またコースの名所のイラストを施したネックウェアなどオリジナルのトレイルグッズもありました。
トレイルガイド 志賀鉄太郎さん
「訪ねてきてくれたハイカーさんが『みちのく潮風トレイルのオリジナルグッズが何もないよね。お土産になるようなものが何もないよね』っていうところで、作ってみようかなと思った商品です」
おもてなしの心が、新たなサービスへと繋がって行きます。
暖かな日差しが春を感じさせる「みちのく潮風トレイル」。
志賀さんの案内で、宮古市内のあまり知られていないスポットを歩いてみましょう。
まず訪れたのは、田老の景勝地・三王岩です。
「三王岩まで来たら是非立ち寄ってほしい絶景ポイントがあるんですよ。ルートからはちょっと外れるんですけど、是非是非」
三王岩から歩いて15分ほどの場所にある景勝地。
高低差があるちょっときつめのルートですが、春は汗もかきにくく、虫も出ないので快適に歩けます。見晴らしも最高です。
岬にたどり着きました
「ここがオススメポイントである浪打崎です。このゴツゴツした感じがとてもダイナミックで、何気に展望もいいから自分はすごい好きな場所なんですけど、あまり知られていない場所です」
太平洋の荒波がしぶきと共に打ち寄せる岩礁「浪打崎(なみだざき)」。
迫力のある眺めは、改めて海の雄大さを感じさせてくれます。
この季節、田老の港では…
「あれはあのー宮古の春の風物詩であるワカメの工場だと思います。採れたてのワカメをあの中で茹で上げて、塩漬けまでしてると思いますよ」
田老ではトレイルオアシスにも立ち寄っていきましょう。
「道の駅たろう」にある産直施設「とれたろう」にはブランド「真崎わかめ」が並びます。
そしてこちら。
「真崎わかめ」の茎と葉を入れ、たこ焼きのように仕上げた名物「真崎焼き」。
トレイルの合間にぴったりのグルメです。
田老から北上、「蛸(たこ)の浜」にやって来ました。
ここには、こんなスポットが。
「ここは蛸の浜と浄土ヶ浜をつなぐ昔からあるトンネルです。わたし子供の頃ここは度胸試しの遊び場みたいな、そういうひとつでしたよ」
トンネルを抜けた先の浄土ヶ浜は、まぶしく見えました。
春ならではの逸品も食べていきましょう。
「トレイルオアシス」として、充実したサポートをしている丸徳に立ち寄りました。
手作りの練り物が評判のこの店に、大きなカキを素材にしたかまぼこが。
「ちょうど今が旬になって来てますから、カキの中身が結構いっぱいいっぱい身が広がって来ますね」
最後にリニューアルしたばかりの展望台へ。
志「ここ最近新しくなって、一段高くなったんで前よりも、すごく見やすくなりました。オススメのポイントです。」
新しいデッキは視界をさえぎるものがなく、絶景が広がります。
「(宮古のトレイルコースは)観光ガイドマップに載ってるようなところもあるし、地元の人しか知らない場所もあります。(きょうは)地元の人も、知らない場所も歩いて来たので新たな魅力再発見と言う形で歩いた街を好きになって欲しいと思っています」
春の「みちのく潮風トレイル」は、見て、食べて、感じて。
魅力が詰まっています。
なお、宮古市では、開通5周年を記念して6月8日と9日に講演会やウォーキングのイベントを行う予定です。