【カーリング】岩手・期待の星 松原姉弟 中高生コンビが二人三脚でミックスダブルス日本選手権へ挑む
特集は岩手カーリング界の期待の星、松原姉弟です。姉弟ならではの息の合ったプレーで間近に迫った国内最高峰の大会で優勝を目指しています。
姉・松原理桜さん
「イエス(掃け)!イエス!ウォー(掃かない)!ウォー!ウォー!」
岩手県盛岡市に住む高校1年生で姉の松原理桜さん。そして、中学2年生で弟の永和さんです。
27日から長野県で開かれる国内最高峰の大会「日本ミックスダブルスカーリング選手権」に向けて、練習に励んでいます。
別名「氷上のチェス」とも呼ばれるカーリング。
重さ20キロ程のストーンをおよそ40メートル先にある円・ハウスの中心の近くに置くことを競うスポーツです。競技では氷の粒をブラシでこすることで、ストーンの速さを調節します。常に氷の状態が変化するためコミュニケーションが欠かせません。
弟・永和さん
「ウォー(掃かない)!イエス(掃け)!」
理桜さん
「どっち?曲げ?」
永和さん
「曲げ」
理桜さん
「あー、ダブル(相手のストーンを二つ同時にをプレイエリアからはじき出すショット)でも良かったか」
永和さん
「ドロー(自分のストーンを置きたい位置に止めるショット)でいいんじゃない」
理桜さん
「うん、そうだね」
2023年12月末、青森県で開かれた東北大会に岩手代表として出場した2人は、同じ岩手代表でソチオリンピックカーリング女子日本代表の苫米地美智子さんのチームを破るなどして2位で日本選手権の出場権を獲得しました。
理桜さん
「苫米地さんたちに追いつくことが私たちの一つの目標でもあったので、それをなすことができたのは、すごくうれしいこと」
2人の成長を見守ってきたのが、ソチオリンピックカーリング日本代表の苫米地美智子さんです。
苫米地さん
「2人ともめげずに目標に向かって前向きに進んで取り組める兄弟だなと思ってみていた」
苫米地さんは、「盛岡市アイスリンク」で指導員として働きながら現役のカーリング選手として活躍しています。
松原姉弟がカーリングを始めた小学生の時から見てきた苫米地さんに聞くと…
苫米地さん
Q2人の強みは?
「仲が良いですね。2人とも仲が良くていつまでたってもくっついている感じがして(笑)諦めない姿勢と前向きに点を取りに行く姿勢かなと思う」
「本当に伸びしろすごいあるので世界に羽ばたいてもらえたら次々に出てくるジュニアの子たちの自信や目標にもつながるので、どんどん成長して世界に出ていってほしい」
理桜さんが日本選手権に向けて磨きをかけているのは、ハウスの中にストーンを止める「ドローショット」。理桜さんは、直接得点に関わる重要なポジションなため、より高い精度が求められます。
そこで永和さんは、ストーンをコントロールするために氷をこする「スイープ」に力を入れています。
現在2人は、「自分たちだけでどれだけ上にいけるか試したい」という強い思いで、コーチを付けずに練習して大会に臨んでいます。高校生と中学生のペアが日本選手権に出場するのは県選手としては初です。
理桜さん
「岩手と東北の代表なのでその誇りと皆さんの応援をしっかり力に変えられるように…」
見つめる先には、大きな目標があります。
永和さん
「やっぱり目標は優勝なので」
理桜さん
「一歩一歩世界まで努力を積み重ねて、世界に通用するプレイヤーになっていけたら」
全国大会という大舞台への切符を手にした岩手カーリング界の期待の星。姉と弟、二人三脚で夢に向かって躍動します。