鬼の面を付け家々を回る正月の伝統行事「アマハゲ」 なり手不足も課題 初めて扮した若者に密着
鬼の面を付けて家々を回り子どもたちの怠け心を戒める遊佐町の正月の伝統行事「アマハゲ」がことしも行われました。アマハゲのなり手不足も課題となっている中、ことし初めてアマハゲに扮した若者に密着しました。
「いい子にします!」
「アマハゲ」は遊佐町吹浦にある滝ノ浦・女鹿・鳥崎の3つの集落に伝わる正月の伝統行事で、子どもたちの怠け心を戒め無病息災を祈ります。
250年以上前の江戸時代から続くとされ、地区の若者が鬼の面と「ケンダン」と呼ばれる蓑を身にまとい、家々を回ります。
1月3日、遊佐町吹浦・女鹿地区。集落の高台にある八幡神社の境内で「アマハゲ」の準備が進められていました。
「下3枚、上4枚 7枚」
「ケンダン」と呼ばれるわら蓑は上下合わせて7枚、重さにして約10キロ。
ことしは集落の住民や帰省した若者ら7人が「アマハゲ」に扮します。
群馬県の自動車メーカーに勤める高橋智典さん(28)は年末に帰省し、今回がアマハゲ初挑戦です。
「今までずっと見る側だったんですけど変な感じがしますちょっと緊張しますね」
67歳の父・光弥さんもまた、30年ほど前までアマハゲの担い手でした。
高橋光弥さん「教えるとかそんなのはないですねまあ あまり暴れるなと」
約50軒の集落を「ひょおー」という奇声とともに練り歩く「アマハゲ」。
「いい子にすっがー」と問いかけると、子どもたちの叫び声が響きます。
そして民家の中へ。
「ばあちゃん 何歳なった?」「93歳」「2月きたら94歳」「風邪ひくなよがんばっての」
「丈夫にけがしない病気もしないで育ってほしい」
「小学生になったら勉強頑張りたい」
ことし初めてアマハゲに扮した高橋さんは。
高橋智典さん「小さい子のいるところは盛り上がったので楽しかったです。健康に奥さんもいるので夫婦仲良く過ごしていきたい」
女鹿地区ではことしも無事、アマハゲが行われました。
一方で、少子高齢化が進み、アマハゲが伝わる地区では家に受け入れる世帯も担い手も年々少なくなる課題も生まれています。