山形市のきらやか銀行を傘下に持つ「じもとホールディングス」国の管理下入り正式に決定
山形市のきらやか銀行と仙台銀行を傘下に持つ「じもとホールディングス」の株主総会が20日、仙台市で開かれました。グループ発足以来、最大の赤字決算となり、実質的に国の管理下に入ることが正式に決まりました。
株主総会は仙台市で行われ、山形市に設けられたリモート会場と合わせて株主およそ110人が出席しました。総会は報道関係者に非公開で行われ、「じもとホールディングス」の川越浩司会長と鈴木隆社長が最終損益が過去最大となる234億円の大幅な赤字となったことについて謝罪したということです。業績の大幅な悪化により国に発行した「優先株」への配当ができず、国が議決権の63%を取得。実質的に国の管理下に入ったことが報告されたということです。
株主「かなり職員のモチベーションが落ちてしまうんじゃないかと思うが、そこを乗り越えてもらえればいいと思う。応援はしたいので頑張ってもらいたい」
国の管理下に入ることで、どんな影響があるのでしょうかー。
きらやか銀行によりますと、国は今後、「じもとホールディングス」の役員の人事や配当を行うかどうかなど経営の方針に大きな影響力を持ちます。一方、預金や融資などといった銀行の通常業務への手続き上の関与はなく、取引企業や利用客へ不利益は生じないとみられています。「じもとホールディングス」は来年3月期決算で、15億円の黒字を見込んでいます。配当が復活すれば、国の管理から外れる可能性もありますが、配当の有無を判断する際も国との協議が必要で、見通しは不透明な状況です。
株主「きらやか銀行もつらかった所があると思うが、国のベテランが必ず出てくるからその人たちに期待しながらみんなで協力してやればいいんじゃないか」
株主「(どこに赤字の原因があると思いますか)それはきらやか銀行の融資の甘さじゃないですか。個人的には仙台銀行ときらやか銀行は分かれた方がいいと思う。きらやか銀行には頑張ってほしいですが」
株主総会ではこの他、今後、仙台銀行の融資担当者をきらやか銀行に置き、体制の強化を図ることが説明されました。また、今回の経営責任を取り、川越会長と鈴木社長、それに内田巧一常務の3人は経営責任をとりことし9月に返済期限を迎えている公的資金の返済のめどがたち次第、辞任する予定です。