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「地域経済の発展に必要なことは技術革新・イノベーション」 山形銀行・佐藤頭取に聞く

2024年2月15日 17:43
「地域経済の発展に必要なことは技術革新・イノベーション」 山形銀行・佐藤頭取に聞く

YBCニュースエブリィでは、地域産業を支える山形県内地銀3行のトップインタビューをシリーズでお伝えしています。3回目は、山形銀行の佐藤英司頭取です。頭取就任1年目のいま、県内最大の地銀として取り組んでいる将来を見据えた経営戦略と人材育成の現場を取材しました。

山形銀行のトップ・佐藤英司頭取。去年6月に頭取に就任しました。山形銀行のトップの交代は18年ぶりのことです。

山形銀行 長谷川吉茂会長「創業家の三浦家と長谷川家が交代で頭取を歴任してきた。そういう時代ではもうない。佐藤頭取は県の発展のために能力を発揮できる人。適時適切な人事をやったと思っている」

山形銀行・佐藤英司頭取「銀行は金融だけではなくコンサルティングを含めた、非金融部門をどれだけ強化していくか。お客様にどうやって寄り添っていくかが大きな課題であり使命」

佐藤頭取は1987年に入行し、主に営業部門を経験。1998年に解禁された投資信託の窓口販売業務の立ち上げにも関わりました。

山形銀行・佐藤英司頭取(当時34歳)「投資信託は預金と違い、高い収益性が期待できる反面運用実績によっては…」

人口減少が続く県内。頭取になったいま地域経済の発展に必要なことは、「技術革新」・イノベーションだと断言します。

山形銀行・佐藤英司頭取「これからの時代にどう対処していくかについて真剣に考えて、どう変えるか、変化させるか。それにはイノベーションしかない。難しいことではなく県内には良い企業がいっぱいある。高い技術力を持った製造業など。その技術を基にして、それにどういったものを加えたら新しいものが生まれるかということ」

新しい考えに対応していくためにも、最も重視していることが行員の人材育成だといいます。

山形銀行・佐藤英司頭取「私は皆さんと同じように山形銀行の入社試験を受けて入行し約40年勤めた。私なりの経験を1回聞いてもらいたいし、皆さんの考えていることや悩んでいることがあったらそれも聞かせてもらいながら皆さんの役に立てれば」

2月8日、佐藤頭取の発案で去年から始まった入行5年目以内の若手行員との座談会が山形市で開かれました。今回で5回目の開催です。膝を突き合わせて、若手の意見を聞き、頭取自らアドバイスもします。

若手行員「こういう風に業務に取り組んでほしいなど期待する姿勢をお聞きしたい」

山形銀行・佐藤英司頭取「『お客様の課題解決をしたい』、『相談に対し何かいい形で回答したい』と思う時は1人の能力では限界がある。これからの銀行員、仕事のやりがい、やり方はコーディネート力。プロデューサーのような行員を目指してほしい」

質問は将来に向けたAI=人工知能の活用や頭取の趣味など多岐に及び、およそ2時間にわたって行われました。

山形銀行金融市場部鈴木亮さん「いまの業務がなぜ銀行の役に立っているかを再認識させられるような、重みのある言葉を頂戴できた」
山形銀行山形北営業部相馬悠さん「若手行員からするとやる気や自分の向かう姿がイメージできるいい機会になった」
山形銀行・佐藤英司頭取「みんないろいろなことに悩みながら過ごしているんだなあということが分かる。少しでもやりがいを持って過ごしてもらいたい、仕事に当たってもらいたいと思う」

コンサルティング業務の強化とそれに対応できる人材育成。佐藤頭取は従来型の銀行経営に加え、取引企業の価値を上げて収益性の向上を図ることが山形銀行の目指すべき方向だと考えています。

山形銀行・佐藤英司頭取「銀行業務は伝統的には預金であり、貸金であり、為替などということになるが、もうそれだけでは当然だめ。お客様の課題をどう解決できるか、どう対処できるか。銀行本体だけでなく、グループ全体の総力を挙げてその力をどう高めていくかがテーマだと思う」

一方、1月下旬に発表された荘内銀行と秋田県の北都銀行の合併方針など全国的に地銀再編の動きが活発化する中、山形銀行の今後については。

山形銀行・佐藤英司頭取「合併はいまのところ全く考えていない。アライアンス(=企業提携)はあると思う。いろいろな事業を進めていく上で、金融機関同士だけでなくいろいろな企業、例えばアプリ開発やDXなどに対して山形銀行だけの力では何ともならないことはいっぱいある。そういう時はいろいろな所と提携していく」

山形県内最大の地銀として地域経済をけん引する大きな役割を担っている山形銀行。企業メッセージにもその思いを込めています。

山形銀行・佐藤英司頭取「チャレンジする気持ちが大事。挑戦の仕方は企業によっても業種によっても違う。ここが我々の出番だと思っている。その企業が何かにチャレンジしたい、何かをやってみたいという時にどういう支援ができるかが銀行の存在価値になってくる」

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