石破茂首相の母方の祖父は山形県知事 当時の東北地方は大凶作 農業対策に力入れる
自民党の石破茂新総裁が1日、第102代内閣総理大臣に選出されました。石破新総理の母方の祖父は戦前、山形県知事を務めていました。石破新総理と山形の縁を取材しました。
1日午後、衆議院と参議院の本会議で第102代内閣総理大臣に選出された、自民党の石破茂新総裁。9月27日に行われた自民党総裁選で石破総理は県内の党員・党友による投票でトップの得票でした。その得票率は「44.3%」で全国3位の高さでした。
県内の自民党員・党友から人気を集めた石破総理、山形県とゆかりがありました。
文翔館ボランティアガイド「どうぞ、こちらです。第25代、金森太郎さんですね」
山形市の文翔館にある歴代の県知事を紹介するコーナー。この中で、第25代知事・金森太郎さんは石破総理の母方の祖父に当たります。金森太郎さんは1888年、東京都出身で、現在の農林水産省や経済産業省に当たる「農商務省」の職員や各県の警察部長などを経て、1934年・昭和9年10月、選挙ではなく、国が任命した「官選」の山形県知事となりました。
当時、金森さんがどのような県政を行っていたのかー。当時の県政史に詳しい、山形大学人文社会科学部の小幡圭祐准教授に聞きました。
山形大学人文社会科学部小幡圭祐准教授「1つは1934年(昭和9年)に深刻な大凶作があって、娘の身売りが急増し、あとは欠食児童が出るような大凶作に見舞われ、対応が求められた」
当時の東北地方は、大雪や冷害の影響で大凶作となっていました。また、昭和恐慌とも重なり、農家の家計は苦しい状況となっていました。金森さんは、国が備蓄する米を臨時で当時の市町村に交付するなど農民の生活を支援する対策を取ったということです。
山形大学人文社会科学部小幡圭祐准教授「金森は元々、農商務省(現在の農水省・経産省)で農政担当者だったこともあり、(大凶作を受けた)東北振興の中でも農業に関して力を入れていた」
金森さんは1934年・昭和9年の10月から1936年・昭和11年10月までの2年間、山形県知事を務めました。その後、のちの東北電力となる国策会社の副総裁などを歴任しました。山形県知事時代、厳しい経済状況に苦しむ農民たちに寄り添う対策を行った石破新総理の祖父・金森太郎さん。
ガイドの男性「課題としてはやっぱり今と重なるところが多いと思いますね。祖父に学ぶべき点は多々あるかと思うね」
石破茂新総理は今夜、新内閣を発足させ、国政運営をスタートさせます。