シャッターに幻想的な壁画 生後100日祝う伝統行事「お食い初め」テーマに天童市の鮮魚店
山形県天童市の鮮魚店のシャッターに壁画が誕生しました。1896年、明治29年創業の老舗が依頼したのは生後100日を祝う伝統行事お食い初めをテーマにした赤ちゃんが主役の優しく幻想的な作品です。
朝日が眩しい早朝。シャッターに絵を描くのは画家で壁画師の小林舞香さんです。
9月10日から1日およそ10時間、一筆一筆、丁寧に、シャッターに描き続けてきました。
小林さんに制作を依頼したのが、1896年、明治29年創業の三浦鮮魚店です。
店ではこれまでも生後100日を祝う伝統行事お食い初め用にと尾頭付きのタイを販売してきました。日本古来からの風習を絶やしたくないと、2015年ごろからは店内の宴会場で御前セットを提供していますが、店としてもお祝いの気持ちを示そうと新たなアイデアを思いつきました。
三浦鮮魚店 三浦重樹さん「お食い初めの注文をいただくので感謝の気持ちとおもてなしの気持ちを込めてぜひシャッターの前で写真を撮っていただきたいと小林舞香さんに猛アタックした」
小林さんは3年前に山形市の中心商店街で、シャッター壁画を描いたことがきっかけで東京から山形市に移住しました。県内で描く壁画としてはこれが4作品目となります。自身としては14作品目ですが今回は特別な思いがありました。
「お食い初めをテーマに描いてほしいと言われた時、自分の息子も10月にお食い初めだと思ってそのときに息子に絵を見せたいという気持ちがこの絵を完成させた」
小林さんはことし7月に長男を出産、10月10日には生後100日を迎えます。
そして、きょう、シャッター壁画が完成しました。
「終わりました。すばらしい自分でも思っていた以上」
三浦鮮魚店 三浦重樹さん「もう思った以上の仕上がりになっている。感無量。すばらしい。ぜひ皆さんに写真を撮ってもらいたい」
子どもの未来が明るくなるよう願いを込めたという作品。主役は月の優しい光に包まれ地球を抱えた赤ちゃんです。
小林舞香さん「生まれてくる前の赤ちゃんをイメージしていてこれから地球で明るいイメージで生きていく。これから地球に向かうぞという幻想的なシーンになっている。ちょっと抽象的な表現を入れることでここではないどこかというか地球上ではない幻想的な場所、シャッターの前に立って眺めていると非日常を感じるようなそういう絵にしたかなと思う」
三浦鮮魚店 三浦重樹さん「新しいことに取り組んでいきたいとは常に思っている。町の魚屋さんが元気にやってるぞとアピールできたらいい」
小林さんの次の制作活動は11月1日からで山形市に整備される道の駅、「やまがた蔵王」の正面入り口に、山形の四季を描きます。