「サクラマスとは違う魚が釣れた」 山形県が定めるマニュアルに反し「ニジサクラ」の幼魚放流
山形県が開発したブランドマスニジサクラの生産を担う県水産振興協会が、県が定めるマニュアルに反し、ニジサクラの幼魚およそ1000匹を鶴岡市の赤川に放流していたことが分かりました。県は、ニジサクラには生殖能力がないものの生態系への影響は否定できないとしています。
ニジサクラを放流したのは鶴岡市の公益財団法人県水産振興協会です。去年12月中旬、鶴岡市を流れる赤川の支流、青龍寺川に体長30センチから40センチ、重さ500グラムほどまで育ったニジサクラの幼魚、およそ1000匹を放流しました。
ことし3月下旬、県内の釣り人から県の水産研究所などに「サクラマスとは違う魚が釣れた」という報告があり、発覚しました。ニジサクラの生産や出荷を定める県のマニュアルでは、ブランド魚として流出を防ぐためにニジサクラを放流しないよう求めています。
一方で、水産庁はニジサクラなどの人工的に掛け合わされた生殖能力のない魚の取り扱いについて、おととし、放流しても生態系への影響はないことが確認できた、として放流を禁止したルールを廃止しています。
協会はルールの廃止に伴い、放流しても問題ないと判断したということです。
協会の担当者はYBCの取材に対し「協会として独自に判断するのではなく、県に相談すべきだった」とコメントしています。
一方、県の担当者は、「生殖能力がないとしても自然界で何を食べるかが分かっていない」として、生態系への影響をまったくは否定できないとしています。
県はもしニジサクラが釣れた場合は放流せず、どこで釣れたのかなど情報提供してほしいと呼びかけています。