山形県が整備を目指す「フルーツ・ステーション」年度内の基本計画策定延期
山形県が県産フルーツの情報発信拠点として寒河江市に整備を目指す「フルーツ・ステーション」について県は6日、年度内に予定していた整備基本計画の策定を延期すると明らかにしました。この施設をめぐっては当初の整備構想が議会の反発で撤回された経緯があり建設には根強い反対論があります。
県議会・予算特別委員会で県の担当者が明らかにしたものです。
県が寒河江市の最上川ふるさと総合公園に整備を目指す「フルーツ・ステーション」は、県産フルーツの情報を発信するキッチンスタジオやレストランなどを持つ学習・体験拠点で、整備費用はおよそ20億円が見込まれています。このほか、県内の各市町村に同様の施設整備を促し、周遊観光ネットワークの形成を目指します。
県は、「フルーツ・ステーション」の事業者公募の準備と周遊ネットワーク形成に向けた調査・検討を同時並行で行い、年度内の整備基本計画策定を目指していました。しかし、自民党の加賀正和県議は施設の整備のために農家を支援するための費用が削られるのではないかといった懸念の声が出ているとした上で次のように指摘しました。
自民党・加賀正和県議「事業がよりよいものとなるためにはネットワーク化構想を策定・整備をしその後に施設整備に向けた事業者公募の準備をすべき。先行してステーションの整備に向けた公募を準備することは時期尚早ではないか」
これに対し、県農林水産部の地主徹部長は来年度前半に周遊ネットワーク形成に向けた検討を行うとした上で、計画の変更について次のように述べました。
県農林水産部・地主徹部長「最上川ふるさと総合公園の一部エリアの再整備に関する基本計画についてはご指摘の通りネットワークとの関係を整理する必要があることから策定を来年度半ばまで延期する」
この施設を巡ってはおととし当初の整備構想に対し議会から「事業費が多額で、維持管理費が財政を圧迫する」などの反発の声が上がり、予算案が撤回され、内容が見直された経緯があります。県は現在の計画案をもとに県民の意見を聞き再検討を行った上で、来年度中に事業者公募の準備を開始するとしています。