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建物からアスベスト検出で事業費高騰  南陽市のリゾート施設「四季南陽」開発計画中止

2024年5月21日 17:53
建物からアスベスト検出で事業費高騰  南陽市のリゾート施設「四季南陽」開発計画中止

南陽市の温泉施設跡地で整備が進められていたリゾート施設「四季南陽」について、21日、市と事業会社が会見を開き、建物からアスベストが検出されたことに伴う事業費の高騰などを理由に開発計画の中止を発表しました。

白岩孝夫南陽市長「令和3年9月に締結した旧ハイジアパーク南陽の売買契約について本日契約解除に合意した」

計画の中止が発表されたのは、南陽市で整備が進められていた温泉リゾート施設「四季南陽」です。
四季南陽は2021年、利用者の減少で閉館した「ハイジアパーク南陽」を改修した新たなリゾート施設としての整備を目指し、山形市出身の工業デザイナー奥山清行さんと南陽市が契約を締結。
計画には著名人を起用し、新築棟の施設設計は新国立競技場を手掛けた建築家の隈研吾さんが、レストランは鶴岡市出身のシェフ奥田政行さんがそれぞれ担当するなど市内観光の中核を担う施設として整備に期待が寄せられていました。
しかし、去年8月、県の調査でハイジアパーク旧本館の広範囲でアスベストを含んだ建材が使用されていることが分かりました。
これを受けて、四季南陽はアスベストを撤去する費用を含め事業費を改めて試算したところ、想定を大幅に上回ったため事業の実現が見込めないと判断。21日、計画中止を発表し、南陽市との売買契約は解除されました。これまでに掛かった事業費は、南陽市が6000万円余り、四季南陽は設計費などおよそ1億3000万円に上るということです。

四季南陽・奥山清行社長「施設に関しては私たちで維持できるものではないという非常に悲しい結果となった。ご期待いただいた市民の皆様に申し訳ない気持ち」

契約解除に伴い、旧ハイジアパーク南陽は市に返還されます。一方で、市と事業会社は今後も連携を続ける方針で、今後は市内でアートイベントなどを開催するなどして、「南陽市のブランド化」を図るとしています。

四季南陽・奥山清行社長「施設は使えなくなったが南陽市をベースとした文化的活動は当初の予定以上にやっていく。これまで以上の期待や協力をいただきしっかりと結果を数字で出す」

白岩孝夫南陽市長「早期に前向きな状況になれるよう奥山さん側と協議を進めていきたい」

一方、今回の契約解除は市議会の同意を得た段階で効力が発生するため、市は今後、市議会に同意を求める手続きを進める方針です。