消火活動に延べ1600人 9日目にようやく鎮火となった南陽市の山火事 農作物などの被害確認へ
山林火災としては山形県内で過去最大の規模となった南陽市の火災は、発生から9日目となった12日、ようやく消し止められました。発生から鎮火までの経過を振り返ります。
ゴールデンウイーク真っただ中の5月4日午後1時前。南陽市の「秋葉山」で火災が発生していると119番通報がありました。当日には県を通じて自衛隊に災害支援を要請。
連日、早朝から消防隊や消防団員などが消火活動にあたったほか、自衛隊のヘリコプター、そして山形、宮城、福島の防災ヘリなども上空から消火活動にあたりますが、火の勢いは弱まりません。
発生翌日の5日、南陽市は延焼の恐れがあるとして、中川、宮内の両地区の148世帯、合わせて410人に対し、避難指示を出しました。住民たちは不安な夜を過ごします。
避難した住民①「避難指示が出たので避難した。風向きで火の方向がかわるので油断はできない」
火災発生から4日目の7日。火は、ほとんど消し止められた鎮圧状態となり、出されていた避難指示も解除となります。一方で、山からは時折煙が。山林火災では、焼け落ちた葉や枝が灰の層を作り、火種が地中に埋まっていることもあるため完全な消火には時間がかかるといいます。
南陽消防署杉原利彦署長「枝や木が燃えて下に落ちる。それが灰になって蓄積する。掘ってみると煙が上がり風によって舞い上がる状況。目に見える煙だけ消すならそこに行って水をかければいいが目に見えないところを手探りのような状況で活動するので時間のかかる作業」
そして、発生から9日目となった12日午後6時。火はようやく消し止められました。
南陽市によりますと、火事による焼失面積は速報値で137ヘクタールまで拡大しました。この火事で70代の男性1人が足にやけどをしたほか、山小屋2棟と仮設トイレなどが焼けました。
消火活動にあたった人数は消防署員や消防団、自衛隊など延べ1600人に上りました。
現場近くの農家「心配だった。ちょうど別の園地が下にあったから。少しでも白く見えると火が残ってるのか心配していたが鎮圧して良かった。消防団員など消火の手助けをしてくれるのはありがたい」
白岩孝夫南陽市長「消防団あっての市民の安心安全と改めて感じた。自衛隊や消防など関係機関全てのご協力のおかげで鎮火させることができた」
市は今後、消防とともに農作物の被害状況などを調べる方針です。また、調査のため秋葉山への立ち入りは当面控えるよう呼びかけています。