「輪中堤」整備された戸沢村蔵岡地区 想定外の「最上川」氾濫に「もう住めない」の声も
25日からの大雨で最上川が氾濫し集落全体に被害があった戸沢村の蔵岡地区では、これまでも度重なる水害が発生しています。住民からは「もうここには住めない」といった声も聞こえています。
記録的大雨で住宅およそ300戸が浸水するなどの被害を受けた戸沢村。
31日 午前9時半頃このうち蔵岡地区では月26日の午前4時20分ごろ、そばを流れる最上川が氾濫しました。
記者リポート「戸沢村蔵岡地区です。付近を流れる最上川の水はこの国道を超えて集落に流れ込んだということです」
日差しが照り付ける中、朝から住民とボランティアらが泥を被った家財の搬出作業に追われていました。
実家の片付けをする人「ちょうどここのドアの上。高さ的にはここ。これ以上ここで暮らすのは厳しいかなという感じがしてしまう」
仙台からボランティア「範囲も広そうだし水かさも高そうだしボランティアは始まったばっかりで片付いていない家が多いので一軒でもお手伝いが出来たら」
この地区に住む佐藤一春さん(79)です。泥水は自宅2階部分まで達し、高さは3メートルほどだったといいます。
佐藤一春さん「水の心配がないところに集団移転するしかない。6年ほど前にもこんな目に合っているんです。もうここは住む場所じゃないってそんな気持ち」
また、こちらの商店では片付け作業のかたわら、思い出の家族写真を乾かしていました。
蔵岡地区の住民「家族の写真。思い出の写真。思い出が無くなる。まだいっぱい写真あったのに」
一方で、この地区はこれまでも度重なる水害に悩まされてきました。そうしたなか去年、およそ14億円をかけて県が整備したのが「輪中提」です。
今回の大雨では山から流れる角間沢川の氾濫による水害を防いだとみられますが、氾濫したのはかさ上げされた国道を超えた最上川で、住民も想定外だったと言います。
蔵岡地区の住民「輪中提を整備してもらったけどそれでもダメなんで。誰もここまでの規模になるとは想像できなかった」
蔵岡地区の住民「ポンプや輪中提をつくって何十億。どうしたのって感じ。私たちからしてみれば」
蔵岡地区の住民「輪中提が出来た時は出来たら幾らかいいかなと安心していたと思う。だけどやっぱりこうなってしまった。水には逆らえない」
暑さの中片付けに追われる住民。復旧までの道のりは厳しさを増しています。